ジェフリー・マゼブラ

1979年 6月22日生まれ、南アフリカ共和国出身の元プロボクサー。かつてIBF世界スーパーバンタム級王座を保持していた実力者である。

キャリア初期から地域タイトル獲得

2001年2月17日にプロとしてのキャリアをスタートさせ、デビュー戦では3ラウンドでのノックアウト勝利を飾った。順調にキャリアを重ねたマゼブラは、2003年2月15日、同郷のボナニ・ヘルワティカが持つIBOインターコンチネンタルスーパーバンタム級王座に挑戦。12ラウンドに及ぶ判定戦の末に勝利し、初の地域タイトルを獲得した。この王座は1度防衛することに成功している。しかし、同年9月30日に行われた南アフリカスーパーバンタム級王座決定戦では、トーマス・マシャバに7ラウンドTKOで敗れ、プロ初黒星を喫した。

フェザー級での活躍とスーパーバンタム級への回帰

その後、階級をフェザー級に上げたマゼブラは、2005年9月30日、ガーナのオスマム・アカバが保持するWBCインターナショナルフェザー級王座に挑んだ。この試合も判定にもつれ込んだが、3-0の明白な判定で勝利し、2階級目の地域タイトルを獲得した。この王座は着実に防衛を重ね、2006年6月30日にはアーロン・メルガレホを相手に12ラウンド判定で初防衛、2007年6月29日にはテェムバ・テシィリカに対し、相手の途中棄権により2度目の防衛に成功した。さらに2008年2月22日には日本の宮田芳憲と対戦し、8ラウンドTKOで3度目の防衛を果たしている。

3度目の防衛後、再びスーパーバンタム級へと戻したマゼブラは、2008年8月29日、元WBA世界バンタム級暫定王者であるフリオ・サラテと対戦。12ラウンド判定で勝利し、WBA・IBF世界スーパーバンタム級スーパー王者セレスティーノ・カバジェロへの世界挑戦権を手にした。

世界王座への挑戦と獲得

待望の世界初挑戦は2009年4月30日、パナマのリングでセレスティーノ・カバジェロを相手に行われた。二つの世界王座を保持する強豪との対戦は白熱した大接戦となったが、僅差の判定（1-2）で惜しくも敗れ、世界王座獲得はならなかった。

再び世界挑戦の機会を掴むため、マゼブラはIBF世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦線で戦うこととなる。2010年9月1日、タカラニ・ヌドロブとの対戦では判定負けを喫し、挑戦権獲得に失敗。しかし、2011年6月11日には同郷のオスカー・チュークとの挑戦者決定戦に勝利し、ヌドロブへの再挑戦権を獲得した。そして、2012年3月24日、遂にIBF世界スーパーバンタム級王者となっていたタカラニ・ヌドロブへの挑戦の機会が訪れる。1年半ぶりの再戦となったこのタイトルマッチは、マゼブラが判定で勝利し、見事ヌドロブへの雪辱を果たすと共に、悲願のIBF世界スーパーバンタム級王座を獲得した。

王座統一戦とキャリアの終焉

IBF世界王者となったマゼブラは、次なる目標としてWBO世界スーパーバンタム級王者ノニト・ドネアとの王座統一戦に臨んだ。2012年7月7日、アメリカの地で行われたこの大一番は、ドネアの優位が揺るがず、マゼブラは12ラウンド判定で敗れ、王座統一は果たせなかった。この敗戦は、南アフリカのスーパーバンタム級戦線に影響を与えたと言われている。

王座陥落後も戦い続けたマゼブラは、2013年3月23日、IBF世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦で再びタカラニ・ヌドロブと対戦。両者1勝1敗で迎えた因縁の第三戦は、技巧派同士の攻防となったが、マゼブラがその長いリーチを生かした巧みな防御と攻撃でヌドロブを制圧。12ラウンド判定で勝利し、ドネアの王座返上によって新たなIBF王者となっていたジョナサン・ロメロへの指名挑戦権を獲得した。

しかし、最後の世界挑戦となった2013年12月21日のキコ・マルチネス戦では、マルチネスの圧力と有効打の前にペースを握れず、9ラウンドにキャリア初のノックダウンを喫し、そのままカウントアウト。14年ぶりのKO負けとなったこの試合を最後に、体力の限界を感じたマゼブラは現役からの引退を表明した。

獲得した主なタイトル

- IBOインターコンチネンタルスーパーバンタム級王座
- WBCインターナショナルフェザー級王座
- IBF世界スーパーバンタム級王座（防衛0）

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