ジェマ・イスラミア

ジェマ・イスラミアについて

ジェマ・イスラミア（Jemaah Islamiyah）は、インドネシアを中心とする東南アジアのイスラーム主義組織であり、一般的には「JI」と略されています。その意味は「イスラームの会衆」であり、1993年にアブドゥラ・スンカルとアブ・バカル・バシルによって設立されました。設立当初から、インドネシアや周辺地域におけるイスラム国家の樹立を目指しており、その活動はタイ南部、マレーシア、シンガポール、ブルネイ、フィリピン南部にまで及んでいます。特にバシル師は組織の精神的リーダーとして重要な役割を果たしてきました。

組織の背景と活動の概要

ジェマ・イスラミアの根源は、1942年に設立された「ダルル・イスラム」にあります。この先駆的な組織は、シャリーアに基づくイスラム国家の構築を目標にし、インドネシア独立戦争において活躍しました。1949年には国家主権の獲得後、紛争が起き、これを機に南スラウェシやアチェ地域にも勢いが広がりましたが、ダルル・イスラムは1962年には活動が停滞してしまいました。

一方、ジェマ・イスラミアは、スハルト政権の弾圧を受けてマレーシアに拠点を移し、人員確保を中心とした活動を行いました。スハルト政権が崩壊した1998年にインドネシアに帰還し、様々な過激派との結びつきを深めながら活動を強化していきました。特に、リドゥアン・イサムディン（通称ハンバリ）が軍事部門を指導することで、テロ活動が始まりました。

著名な事件とテロ活動

ジェマ・イスラミアは様々なテロ事件に関与しており、特に2002年に起きたバリ島の爆破テロ事件では200人以上が死亡しました。他にも、2004年のジャカルタ・オーストラリア大使館前での爆破事件や、2005年の再度のバリ島爆破事件など、数多くの攻撃が彼らに帰属しています。これらの事件は、組織の名を広めるとともに、国際的な注目を集める要因ともなりました。

組織の変遷と現在

2005年には、ハンバリがCIAにより逮捕され、組織は一時的に弱体化しました。その後も対テロ戦争が続き、インドネシア当局は組織のメンバーを次々と逮捕しましたが、彼らは常に新たな指導者を見出しながら、活動を続けていました。2010年代には、バシル師が再び逮捕されるなどして組織はさらなる統制を求められました。近年に至り、バシル師はISILへの忠誠を表明し、2021年には刑期を終えて釈放されましたが、組織は依然として厳しい状況にあり続けています。

2024年には、ジェマ・イスラミアの幹部が組織を解散し、今後はインドネシアの法律に従った教育活動に専念することを表明しています。この動きは、彼らの長い歴史においての一つの変化を示しています。

結論

ジェマ・イスラミアは、東南アジアにおけるイスラム主義の象徴的存在であり、長年にわたり激しい活動を展開してきました。しかし、組織の解散宣言は、今後の彼らの方向性に新たな影響を与えることでしょう。

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