ジェームズ・サウス

ジェームズ・サウス（Sir James South, 1785年10月21日 - 1867年10月19日）は、イギリスの天文学者であり、二重星の観測における先駆者として知られています。彼は王立協会のフェローでもありました。

生涯

ジェームズ・サウスはロンドンで生まれ、英国外科医師会で医学を学びました。しかし、31歳という比較的遅い時期に天文学に転向しました。1816年には裕福な女性と結婚し、この結婚が彼の天文学研究を大きく後押ししました。彼はロンドンとパリに私設天文台を設立し、観測に専念しました。また、ロンドン天文学会の設立にも深く関わり、1831年には国王の裁可を得て、同会は王立天文学会へと発展しました。この活動は、彼の天文学への情熱と組織運営能力を示すものです。

天文学上の業績

サウスの最大の功績は、ジョン・ハーシェルとともに、ウィリアム・ハーシェルが発見した二重星の再観測を行ったことです。1824年には380個もの二重星のカタログを作成し、翌年にはさらに458個の観測結果を追加しました。これらの観測は、当時の天文学界に大きな影響を与え、二重星の研究を大きく進展させました。彼の精密な観測データは、後の天文学者にとっても貴重な資料となりました。

受賞と晩年

1826年には、その業績が認められ、コプリメダルと王立天文学会ゴールドメダルを受賞しました。1831年にはナイトの称号も授与され、社会的な地位も確立しました。しかし、晩年は議論好きの性格が災いし、イギリスの航海暦の精度を批判して王立天文学会を脱会するなどの騒動も起こしました。また、観測機器の精度を巡っては、エドワード・トルートンと激しく対立し、トルートンが製作した望遠鏡を破壊するという事件も起こしました。この破壊された望遠鏡のレンズは、後にダブリン天文台で1862年に使用されました。ジェームズ・サウスはロンドンでその生涯を終えました。

人物

ジェームズ・サウスは、その優れた観測能力と精密なデータ収集能力で知られる一方、非常に議論好きで、妥協を許さない性格でした。この性格が、彼の業績をさらに際立たせたと同時に、トラブルの原因ともなりました。彼の人生は、天文学への情熱と、その情熱が時に生み出す摩擦を示していると言えるでしょう。

関連項目

* 18世紀生まれの天文学者

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