二重星

二重星とは

二重星とは、夜空で非常に接近して見える2つの星のことです。肉眼では一つの星に見えることが多いですが、望遠鏡などを使って観測すると、二つの星に分離して見えることがあります。二重星には、大きく分けて「連星」と「見かけの二重星」の2種類があります。

連星

連星とは、二つの星が万有引力によって互いに周回している星のペアのことです。連星は、観測方法によってさらにいくつかの種類に分類されます。

実視連星

実視連星は、望遠鏡で二つの星が分離して観測でき、かつ、その二つの星が互いに公転運動していることが確認できる連星です。ケンタウルス座α星や、おおぐま座ζ星（ミザール）のA星とB星などがその例です。これらの星々は、実際に互いの周りを回っていることが観測されています。

分光[[連星]]

分光[[連星]]は、望遠鏡で二つの星に分離して観測することはできませんが、星のスペクトル線を分析することで、公転運動に伴う視線速度の周期的な変化が観測される連星です。スペクトル線のドップラー効果によるずれを観測することで、二つの星が互いに周回していることがわかります。

食連星

食連星は、別名「食変光星」とも呼ばれます。これは、二つの星がお互いの前を通過する際に、明るさが変化する連星です。例えば、明るい星の周りを暗い星が公転している場合、暗い星が明るい星の手前を通過する際に、全体の明るさが一時的に暗くなります。ペルセウス座β星（アルゴル）などが代表的な例です。

見かけの二重星

見かけの二重星は、地球から見たときにたまたま同じ方向に見えるだけで、実際には互いに引力などの影響を及ぼし合っていない二つの星のペアです。これらの星は、空間的に非常に離れた場所に存在しています。代表的な例として、さそり座ζ星があります。この星は、150光年離れたオレンジ色の巨星と、6000光年彼方の青色超巨星からなる、色の対比が美しい二重星です。また、おおぐま座ζ星ミザールとおおぐま座80番星（アルコル）も、見かけの二重星として知られていますが、両者の実際の距離は約3光年離れており、連星である可能性も指摘されています。

まとめ

二重星は、宇宙の多様性と複雑さを示す興味深い天体です。連星の研究は、星の質量や進化を理解する上で重要な情報を提供します。また、見かけの二重星は、宇宙の広大さを感じさせてくれる存在です。二重星の観測は、アマチュア天文家にとっても魅力的な対象であり、望遠鏡を通して宇宙の神秘に触れる素晴らしい機会を与えてくれます。

関連項目

連星
二重惑星

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