ジェームズ・ミュア＝キャンベル (第5代ラウドン伯爵)

ジェームズ・ミュア＝キャンベル（1726年2月11日 - 1786年4月28日）は、第5代ラウドン伯爵であり、イギリス陸軍の軍人、スコットランド貴族として知られています。最終階級は陸軍少将であり、短期間ではありますが庶民院議員も務めました。しかし、政治活動よりも軍人としてのキャリアに重点を置いていた人物です。

生涯

ジェームズ・ミュア＝キャンベルは、第2代ラウドン伯爵ジェームズ・キャンベルの末息子サー・ジェームズ・キャンベルと、初代グラスゴー伯爵デイヴィッド・ボイルの娘ジーンとの間に生まれました。1729年12月13日に母が亡くなると、ローアラン城を相続し、母方の祖母の旧姓である「ミュア」を自身の姓に加えて「ミュア＝キャンベル」と名乗るようになりました。

1740年にはロイヤル・スコッツ・グレイズに騎兵少尉として入隊し、軍人としてのキャリアをスタートさせました。1742年には中尉、1745年には大尉へと昇進。同年の4月30日には、父がフォントノワの戦いで戦死したため、パースシャーのローズ地所を相続しました。

政治にはさほど興味を示さなかったミュア＝キャンベルですが、伯父の息子である第4代ラウドン伯爵ジョン・キャンベルの尽力により、1753年7月にエアシャー選挙区での選挙活動を開始しました。選挙には現職のパトリック・クロフォードと、第10代エグリントン伯爵の弟であるアーチボルド・モンゴメリーも立候補していましたが、1754年4月までの交渉の結果、モンゴメリーが撤退に同意。政府の支持も得たミュア＝キャンベルは、1754年のイギリス総選挙でクロフォードを破り当選を果たしました。しかし、議会では第4代ラウドン伯爵の意見に従って投票することが多く、自身の意見を述べることはほとんどなかったとされています。1761年の総選挙で議席を失いましたが、当時七年戦争のドイツ戦線で戦っていたミュア＝キャンベルは、特に不満を抱くことはなかったと言われています。その後、二度と立候補することはありませんでした。

軍人としては、1754年に第11竜騎兵連隊の少佐に昇進。1756年には近衛歩兵第3連隊の大尉に任命され、1757年には第2竜騎衛兵隊の少佐、1762年には第21竜騎兵連隊の中佐と、着実に昇進を重ねました。同年には大佐にも昇進しましたが、1763年に半給となります。晩年には1781年に少将に昇進しました。

1782年4月27日、第4代ラウドン伯爵が亡くなると、ミュア＝キャンベルはラウドン伯爵位を継承しました。1786年4月28日、ラウドン城で死去。爵位は娘のフローラが継承しました。

家族

1777年4月30日、フローラ・マクロード（1780年9月2日没）と結婚し、一女をもうけました。

* フローラ（1780年8月 - 1840年1月8日） - 第6代ラウドン女伯爵、ヘイスティングズ侯爵夫人

ミュア＝キャンベルは、軍人としてのキャリアに重点を置き、政治にはさほど関心を示しませんでしたが、その生涯は当時のイギリス社会における貴族の役割や、軍人の生き方を象徴するものとして、後世に語り継がれています。

出典

ジェームズ・ミュア＝キャンベル - ナショナル・ポートレート・ギャラリー （英語）

ジェームズ・ミュア＝キャンベルの関連資料一覧 - イギリス国立公文書館 (英語)

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