ジェームズ・R・シュレシンジャー

ジェームズ・ロドニー・シュレシンジャー：冷戦期の安全保障政策を担った政治家

ジェームズ・ロドニー・シュレシンジャー（1929年2月15日 - 2014年3月27日）は、アメリカ合衆国の政治家であり、リチャード・ニクソン、ジェラルド・R・フォード、ジミー・カーターの各政権で重要な役割を果たしました。特に、国防長官とエネルギー長官としての業績は、冷戦期のアメリカの安全保障政策に大きな影響を与えました。

生い立ちと学歴

ニューヨークでユダヤ系の家庭に生まれたシュレシンジャーは、ハーバード大学で経済学の学士号、修士号、博士号を取得しました。その後、バージニア大学で経済学を教え、1960年には『The Political Economy of National Security』を出版。1963年からはランド・コーポレーションで戦略研究部長を務めました。

ニクソン政権での活躍

1969年、シュレシンジャーはニクソン政権に入り、行政管理予算局次長補として国防問題を担当。その後、アメリカ原子力委員会委員長に任命され、組織の改革に尽力しました。1971年には、アラスカ州アムチトカ島で行われた地下核実験（カニキン）に立ち会い、安全性をアピールしました。

CIA長官として

1973年、シュレシンジャーはCIA長官に就任しました。経済学者出身で諜報活動の経験はありませんでしたが、予算局次長補時代にインテリジェンス・コミュニティーの組織改編に取り組んだ手腕を買われました。CIA長官としては、組織の包括的な人員変更を試み、反発も招きましたが、組織改革を断行しました。

国防長官としての功績

1973年7月、44歳という若さで国防長官に就任。徴兵忌避者の恩赦に反対し、より精巧な核兵器システムの開発を要求しました。A-10攻撃機やF-16戦闘機の開発プログラムを支援し、国防総省に総合評価局を創設するなど、軍事戦略の近代化に貢献しました。

その後

対ソ連強硬論者であったシュレシンジャーは、キッシンジャー国務長官と対立し、1975年に国防長官を解任されました。その後、カーター政権で初代エネルギー長官を務め、エネルギー政策の基盤を築きました。

2014年3月27日、肺炎の合併症により85歳で死去。冷戦期におけるアメリカの安全保障政策に大きな足跡を残しました。

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