ジェームズ4世 (スコットランド王)

ジェームズ4世の生涯

ジェームズ4世は、1473年3月17日に生まれ、1488年から1513年までスコットランド王として在位しました。彼はジェームズ3世とデンマーク王クリスチャン1世の娘マーガレットの間に生まれました。彼の即位は、父であるジェームズ3世の死後、わずか15歳の若さで迎えたものです。

即位と初期の治世

1488年、ソーキバーンの戦いで父が戦死すると、若きジェームズは王位を継承しました。しかし、この戦いでは反乱軍の名目上の指導者でもあったため、彼は父の死を悼むとともに、自らの行動に対する重大な責任を痛感しました。このため、毎年四旬節に自らの罪を償うための儀式としてシリスを着用するようになりました。

有能な統治者

彼の治世中、ジェームズ4世は非常に有能な統治者であったと評価されています。彼は国内の反乱を鎮圧し、芸術の振興に力を入れました。また、銃器製造や造船業にも注力し、国の産業を発展させました。特に、1502年にはイングランドとの間で平和条約「永続平和条約」（Treaty of Perpetual Peace）を締結し、1503年にはイングランド王ヘンリー7世の娘マーガレット・テューダーと結婚しました。この結婚により、スコットランドとイングランドの関係は一時的に安定しました。

家族と子女

ジェームズ4世とマーガレット・テューダーの間には6人の子供が生まれましたが、成人したのは三男のジェームズ（後のジェームズ5世）だけであり、他の子供たちは早世しました。子供たちは次の通りです。

• - ジェームズ（1507年3月21日生、1508年2月27日没）
• - 女子（1508年7月15日生、当日に死亡）
• - アーサー（1509年10月20/21日生、1510年7月14/15日没）
• - ジェームズ5世（1512年-1542年）
• - 女子（1512年11月生、当日に死亡）
• - アレグザンダー（1514年4月30日生、1515年12月18日没）

また、ジェームズ4世は数人の女性との間にも庶子をもうけました。特に、マリオン・ボイドとの間にはアレグザンダー（セント・アンドルーズ大司教）とキャサリン（第3代モートン伯爵ジェームズ・ダグラスと結婚）などがいます。

戦争の影響と最期

イタリア戦争の影響により、当時サポートを受けていたフランスと反対の立場にあるイングランドとの戦争が始まりました。1513年、イングランドの新しい王ヘンリー8世がフランス侵攻を試みる中、ジェームズ4世はイングランドに宣戦布告しました。しかし、フロドゥンの戦いでノーフォーク公に大敗を喫し、彼自身も戦死することとなります。この悲劇的な結末は、彼の努力と国の将来を暗示するものでした。

参考文献

• - 森護 『スコットランド王室史話』 大修館書店、1988年
• - ナイジェル・トランター 『スコットランド物語』 大修館書店、1997年
• - Alison Weir, Britain's Royal Families, Vintage, 2008.

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