ジェーン・ラッセル

ジェーン・ラッセル：ハリウッド黄金期を彩ったグラマー女優

ジェーン・ラッセル（Jane Russell, 1921年6月21日 - 2011年2月28日）は、ミネソタ州ビミジ出身のアメリカ人女優です。1940年代から1950年代にかけて、そのグラマラスな容姿と存在感でハリウッドを代表する女優として活躍しました。

生い立ちとキャリアの始まり

本名をアーネスティン・ジェーン・ジェラルディン・ラッセルという彼女は、幼少期にカリフォルニア州サンフェルナンド・ヴァレーに移住しました。父親の早逝後、家計を助けるために写真モデルとして働いていたところ、映画プロデューサーのハワード・ヒューズに見いだされます。

1940年、ヒューズが制作する映画『ならず者』のヒロイン役のオーディションに合格。ワイルドで肉感的な女性を求めていたヒューズの理想に合致し、ヒロインに抜擢されました。

『ならず者』での衝撃的なデビューとセックスシンボル化

ヒューズは自ら監督を務め、ジェーンの胸元を大胆に強調した宣伝写真を大量に配布。第二次世界大戦中の兵士たち向けにブロマイドも作成しました。しかし、1943年に公開された映画は、その際どい描写から検閲に引っかかり、上映禁止運動が起こるなど物議を醸しました。それでも、この作品によってジェーン・ラッセルはセックスシンボルとしての地位を確立しました。

その後、20世紀フォックス社と契約し、マリリン・モンローとの共演作『紳士は金髪がお好き』で、モンローと並ぶ人気を得て、彼女のキャリアを不動のものにしました。

『紳士は金髪がお好き』でのマリリン・モンローとの共演

ゴシップ誌は、ジェーンとマリリンの不仲を煽りましたが、実際には二人は非常に仲が良く、姉御肌のジェーンが内気なマリリンを常に気遣い、マスコミ対応も積極的にこなしていました。当時の宣伝資料では、撮影現場は「お互いの楽器の相違をわきまえた和気あいあいとした」雰囲気だったと伝えられています。

写真撮影で際どいポーズを要求されると、マリリンは控え室に閉じこもってしまいますが、ジェーンはカメラマンのジョークを笑顔で受け止め、ポーズを取るなど、現場を円滑に進めていました。マリリンの死後も、彼女について聞かれると「大変チャーミングで繊細な素敵な人でした」といつも愛情を込めて語っていました。

検閲との戦いと、陽気な人柄

グラマー女優として有名になるにつれ、ジェーンの出演作品は度々検閲に引っかかり、話題となりました。しかし、本人はそれを意に介さず、「肉体は隠すから汚くなるもので、太陽の下ではさらせばさらすほどきれいになるものよ」と語るなど、非常に陽気で屈託のない性格でした。

私生活と信仰

ジェーンは3回結婚していますが、同世代のグラマー女優に比べるとスキャンダルは少なく、熱心なキリスト教徒として養子縁組の支援活動も行いました。最初の夫であるアメリカンフットボール選手のロバート・ウォーターフィールドは幼なじみで、二度目と三度目の夫とも死別するまで連れ添いました。

また、ハリウッドで有名なプレイボーイとして知られていたハワード・ヒューズの魔の手から逃れられたのは「奇跡」だと語られています。彼女自身の話によると、酔って寝ていたジェーンに手を出そうとしたヒューズを一喝したところ、彼は何もせずに引き下がったそうです。

その後の人生と死

ジェーン・ラッセルは、2011年2月28日、呼吸不全のためカリフォルニア州サンタマリアの自宅で亡くなりました。89歳でした。彼女の魅力的な存在は、今もなお多くの人々に記憶されています。

主な映画出演作品

ならず者 (1943) - The Outlaw
カラミティ・ジェーンの大銃撃戦 (1948) - The Paleface
犯罪都市 (1951) - The Last Vegas Story
紳士は金髪がお好き (1953) - Gentlemen Prefer Blondes
フランス航路 (1954) - The French Line
海底の黄金 (1955) - Underwater!
たくましき男たち (1955) - The Tall Men
紳士はブルーネット娘と結婚する (1955) - Gentlemen Marry Brunettes
熱い血 (1956) - Hot Blood

外部リンク

ジェーン・ラッセル - IMDb（英語）

もう一度検索