ジクロロテトラキス(ジメチルスルホキシド)ルテニウム(II)

ジクロロテトラキス（ジメチルスルホキシド）ルテニウム（II）の概要

ジクロロテトラキス（ジメチルスルホキシド）ルテニウム（II）（以下、RuCl2(dmso)4）は、化学式RuCl2(dmso)4で表される配位化合物です。この化合物は、中心に位置するルテニウム(II)とともに4分子のジメチルスルホキシド（DMSO）および2個の塩化物イオンが結合しています。特筆すべきは、DMSOの配位子が硫黄原子(S)および酸素原子(O)のいずれかを介してルテニウムに結合する可能性があり、この性質から異なる結合様式に由来する異性体が存在します。

構造的特性

RuCl2(dmso)4は、二種類の異性体が確認されており、両者が八面体の構造を持つ点が共通しています。ルテニウムは酸化数+2を取り、全体として18電子則を満たしています。二つの異性体は、cis, fac -RuCl2(dmso-S)3(dmso-O)とtrans, mer -RuCl2(dmso-S)4です。trans, mer配置は速度論的に有利ではあるものの、cis異性体に比べて熱力学的には不安定という特性があります。

異性体の名称では、

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