ジグリ山塊

ジグリ山塊：ヴォルガ河畔の景勝地

ジグリ山塊は、ロシアのサマラ州に位置する山塊であり、ヴォルガ川がこの山塊に突き当たることで、有名なサマラ曲りを形成しています。この地域は古くから景勝地として知られ、その美しい景観は多くの人々に愛されてきました。ジグリという名前は、近くのジグリョフスクの集落、さらに遡るとかつてこの地に住んでいたジェグリ族に由来します。また、古くはこの山に隠れ住んでいた海賊にちなんで「ラダ」とも呼ばれていました。

地理的特徴

ジグリ山塊は、ヴォルガ川がトリヤッチの町を過ぎたあたりで山塊にぶつかり、サマラ曲りを経て再び南へと流れる地点に位置しています。この地形により、ジグリ山塊はヴォルガ川に囲まれた半島のような形状をしています。山塊の北端にはジグリ自然保護区が、その他地域にはジグリ国立公園があり、豊かな自然が保護されています。最高峰は海抜381.2メートルのナブリュダテリ山であり、ヨーロッパ・ロシアにおける最高地点の一つです。

文化的な意義

ジグリ山塊はその独特な景観から、ライン川のローレライと同様に、多くの文芸・芸術作品に取り上げられてきました。代表的なものとして、以下の作品が挙げられます。

歌: M.リシャンスキー作詞、ボリス・モクロウソフ作曲の『ジグリ』は、日本でも親しまれた時期がありました。
絵画: イヴァン・アイヴァゾフスキーの『ジグリ山塊中のヴォルガ川』は、山塊の雄大な景色を描いています。
自動車: ソ連時代にアフトヴァース社が生産した国民車「ジグリ」は、このジグリ山塊にちなんで命名されました。これは、ヴォルガ川上流のトリヤッチに工場があったことによります。

ジグリ山塊は、その自然の美しさだけでなく、文化的な側面においても重要な役割を果たしてきた場所です。

ジグリ山塊