ジス・タイム (INXSの曲)

「ジス・タイム」（This Time）

INXSはオーストラリアのロック・バンドで、1985年にリリースされたアルバム『リッスン・ライク・シーヴズ (Listen Like Thieves)』に収録された楽曲「ジス・タイム」は、彼らの名曲の一つとして知られています。この曲は特にアメリカとヨーロッパ市場向けにリリースされた最初のシングルとして位置付けられていますが、故郷オーストラリアやニュージーランドでは、先に別のシングル「ホワット・ユー・ニード (What You Need)」が登場し、その後に続く形でリリースされました。

「ジス・タイム」はアルバム中で唯一、アンドリュー・ファリスによって単独で作曲された楽曲であり、彼の音楽的才能を示すものとなっています。オーストラリアではこの曲も人気があり、トップ20にランクインしています。

B面曲のバリエーション

このシングルは、各国で異なるB面曲が収録されている点が特徴的です。1985年11月におけるオーストラリア盤では、「スウィート・アズ・シン (Sweet as Sin)」という曲が収められています。この曲は意外にもギャリー・ゲイリー・ビアーズの単独作であり、INXSの他の楽曲とはひと味違ったアプローチを見せています。イギリス盤の方では「オリジナル・シン」のエクステンディッド・リミックスが収録され、アメリカ盤や日本盤ではジョン・ファリスの「アイム・オーヴァー・ユー (I'm Over You)」がB面に収められています。また、12インチシングルなどでも異なるバージョンが存在し、ファンにとっては収集の対象となっています。

評価

この楽曲はオールミュージックによっても高く評価されています。彼らは、柔らかなギターの導入部分がバーズを彷彿とさせつつも、INXSのフルバンドアレンジへと展開していく様を称賛しています。また、マイケル・ハッチェンスのボーカルが持つドラマ性と力強さが、この曲を特別な存在にしています。彼のアプローチは決して過剰ではなく、聴く者に切なさとエネルギーを同時に伝えます。

リリース当初の『ローリング・ストーン』誌もこの曲を評価し、高音のハーモニーを用いたポップなアプローチについてコメントしています。さらに、2004年の評価では、U2から影響を受けたトランス・ロック的な要素があると指摘されました。『トラウザー・プレス』誌によっても、確かなメロディ、力強いリズム、印象的なフックが揃った曲であると称賛されています。

トラックリスト

• - Australian 7" 7-258836

"This Time" – 3:11
"Sweet as Sin" – 2:20

• - UK 7" INXS 5

"This Time" – 3:11
"Original Sin (Extended Version)" – 2:20

• - US 7" single 7-89497

"This Time" – 3:11
"I'm Over You" – 4:08

チャート

「ジス・タイム」はリリース後、多くのチャートに登場し、その存在感を示しました。オーストラリアでの成功だけでなく、国際的な評価をも受け、INXSの音楽的立ち位置を確固たるものとしました。

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