ジミー・グリーブス

ジェームズ・ピーター・グリーヴス

ジェイムズ・ピーター・「ジミー」・グリーヴス（1940年2月20日 - 2021年9月19日）は、元イングランド代表のサッカー選手で、特にセンターフォワードとして知られています。彼は1960年代を代表するストライカーとして輝かしいキャリアを持ち、6度にわたってリーグ得点王の称号を手にしました。

クラブ経歴

グリーヴスは1957年にチェルシーFCでプロとしてのキャリアをスタートしました。彼は1959年及び1961年にリーグ得点王に輝き、特に1960-61シーズンには41得点を挙げ、この記録は今もなおチェルシーのクラブ記録として残っています。還暦を迎える前に、彼は20歳290日でリーグ通算100得点に到達し、強烈な印象を与えました。チェルシーでは157試合に出場し、124得点を記録しました。

1961年に彼はセリエAのACミランへ移籍しますが、そこでは14試合で9得点を記録した後、すぐにイングランドのトッテナム・ホットスパーへ加入します。トッテナムでは10年間在籍し、321試合で220得点をマーク、さらに1963年から1969年にかけて4度の得点王に輝きました。また、1962年と1967年にFAカップを、1963年にはUEFAカップウィナーズカップを制覇しました。

1970年にはウェストハム・ユナイテッドに移籍し、38試合で13得点を挙げて、1971年に31歳で現役引退を決意します。通算516試合に出場し、イングランド1部リーグで357得点を記録するという驚異的な数字を残しました。この成績はリーグ史上最多であり、得点王の回数も歴代最多となっています。

代表歴

グリーヴスは1959年5月17日のペルー戦でイングランド代表デビューを果たし、早速その試合で初ゴールを決めました。1963年11月20日の北アイルランド戦と、1966年6月29日のノルウェー戦では、1試合で4得点を挙げるなど、圧倒的なストライカーとしての能力を示しました。特に1962年のW杯チリ大会ではアルゼンチン戦で初ゴールを挙げましたが、イングランドは準々決勝でブラジルに敗退しました。地元開催の1966年W杯では、負傷のため決勝トーナメントには出場しなかったものの、チームの優勝には大きく貢献しました。

バックグラウンドを変えた彼の活躍は、7試合に出場して1得点を挙げたW杯での成績にとどまらず、代表通算57試合で44得点という輝かしい数字を残しました。この記録はウェイン・ルーニーやボビー・チャールトンに次ぐ歴代4位となり、代表としてのハットトリック6回は最多記録です。

人物

私生活では妻アイリーンと結婚し、4人の子供を授かりました。サッカー界で多大な成功を収めた一方で、彼はアルコール依存症や肝炎などの健康問題とも闘ってきました。1965年には肝炎によって3か月間ピッチから遠ざかり、現役引退後もアルコール依存に悩まされます。2012年には軽度の脳卒中を2度経験し、その後も健康状態は変動しました。2015年には重度の脳卒中を患い、以後は車椅子生活となりました。2020年には体調不良から緊急入院するも、回復したものの、2021年9月19日に81歳で逝去しました。

成績とタイトル

• - クラブ: ミランではセリエAを1度、トッテナムではFAカップを2度、UEFAカップウィナーズカップを1度獲得しました。
• - 代表: 1966年W杯を制覇し、ブリティッシュ・ホーム・チャンピオンシップに5度輝きました。
• - 個人: フットボールリーグ・ファーストディヴィジョン得点王には6回なり、数々の名誉を手にしました。

グリーヴスの功績は、サッカー界において永遠に語り継がれるものとなっています。

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