ジム・ブリックマン

アメリカ合衆国オハイオ州クリーブランド出身のピアニスト・作曲家、ジム・ブリックマンは1961年11月20日に誕生しました。幼い頃から音楽への関心が高く、5歳という早い時期にピアノに触れています。学業においても優秀で、ケース・ウェスタン・リザーブ大学に進学。大学で経営学や経済学を学ぶ傍ら、クリーブランド音楽研究所ではピアノや音楽理論といった専門的な教育も並行して受けました。高校はシェーカーハイツ高校に通っていました。

大学卒業後の1980年、彼は自身の名を冠した音楽広告会社「ジム・ブリックマン・アレンジメント」を設立します。この会社は急速に成長し、やがて国境を越えた大規模なコマーシャルソング制作会社へと発展。マクドナルド、自動車メーカーのポンティアックやいすゞなど、国内外の著名な企業のCMソングを数多く手掛け、作曲家として確固たる地位を築きました。

広告音楽の世界で成功を収めた後、彼はソロアーティストとしての活動に踏み出します。1994年、ウィンダム・ヒル・レコードと契約を結び、初のソロピアノアルバム『No Words』を発表しデビュー。このアルバムは、彼の持ち味である穏やかで叙情的なピアノサウンドを前面に打ち出した作品でした。彼は2005年までウィンダム・ヒルに在籍し、その間に数多くのアルバムや楽曲を世に送り出しました。彼の音楽スタイルは、心を癒やし、安らぎを与えるものとして、多くのリスナーに受け入れられています。また、インストゥルメンタル作品に加え、様々なボーカリストとの共演も多く行っています。

音楽的な影響については、スムースジャズの重鎮デイヴ・グルーシンや、不朽のポップデュオ、カーペンターズの名前を挙げています。特にカーペンターズへの敬愛は深く、2011年には彼らの楽曲に焦点を当てたトリビュートコンサートをプロデュースするなど、その音楽遺産への貢献も行っています。

さらに、彼は音楽制作や演奏活動に留まらず、ビジネスの領域でも先駆的な取り組みを進めています。2003年にブリックハウス・ディレクト（BHD）を設立。この会社を通じて、音楽業界におけるマーケティング手法の革新や、電子商取引（eコマース）を活用した新たな音楽の届け方の確立を目指しました。これは、変化する音楽市場に対応するための戦略的な動きであり、現代の音楽ビジネスにおける多様な展開を予見するものでした。

このように、ジム・ブリックマンは、作曲家、ピアニストとしてだけでなく、ビジネスパーソンとしても成功を収め、多角的な視点から音楽と関わり続けています。彼の残した、あるいは現在も生み出し続けている作品は、世界中の人々に穏やかな時間を提供しています。

彼の発表した多数の作品の中から、主要なアルバムやミュージックビデオの一部を以下にご紹介します。

アルバム

No Words （1994年）
By Heart （1995年）
Picture This （1997年）
The Gift （1997年）
Visions Of Love （1998年）
Missing Moments （1998年）
Destiny （1999年）
If You Believe （1999年）
My Romance - An Evening With Jim Brickman （2000年）
Simple Things （2001年）

ミュージックビデオ

Valentine (with Martina McBride) (1997年)
Your Love (with Michelle Wright) (1997年)
The Gift (with Susan Ashton and Collin Raye) (1997年)
Never Alone (with Lady Antebellum) (2007年)
* Coming Home for Christmas (with Richie McDonald) (2007年)

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