ジャガー・XJS

ジャガー XJ-S/XJS

ジャガーが1975年から1996年の間に販売した高級車、XJ-SおよびXJSは、クーペおよびオープンカー型の乗用車として知られています。これらの車両は、従来のスポーツカーであるEタイプの後継モデルとして開発が進められ、高級グランツーリスモとしての地位を築きました。

開発の背景とデザイン

初期の段階では「XK-F」というコードネームが付けられましたが、新たな市場を狙うために「XJ27」に改名されました。デザインは1970年に急死したマルコム・セイヤーズのアイデアを基にしており、風洞実験を重ねた結果、XJ-Sの特徴的なフィンがリアウインドウ周辺に配置されることになりました。このフィンは、車の外観に一層の魅力を与えています。

エンジンは、当初Eタイプからそのまま引き継がれた5,344ccのV型12気筒SOHCが搭載されていましたが、後に3,590ccの直列6気筒DOHCエンジンも搭載されるようになりました。各エンジンは最終的にそれぞれ5,993ccと3,980ccに進化しました。

運動性能とシャシー

XJ-Sのシャシーは、XJサルーンのものを基にしており、ホイールベースは2,590mmに短縮されています。そのため、フロントサスペンションはダブルウィッシュボーン、リヤサスペンションにはウイッシュボーンが採用されています。このサスペンション設定により、運動性能はサルーンモデルよりも向上しました。

歴史とモデル変遷

XJ-Sは1975年のデビュー以来、多くのマイナーチェンジを経て進化を遂げました。1981年には高効率なエンジンに改良され、1983年には直列6気筒エンジンを搭載したモデルも追加されました。1991年にはモデル名が「XJ-S」から「XJS」に変更され、ボディパネルが刷新されるなど、生産効率も改善されました。特に、エンジンは直列6気筒が3,980ccに拡大し、その性能も向上しました。

1992年にはコンバーチブルモデルが発表され、運転席にはエアバッグも標準装備されました。また、1993年には直列6気筒コンバーチブルに後席を追加した2+2仕様が登場し、より多くの人が乗れるようになりました。

最終的に1996年に全モデルの生産が終了し、その座をさらに洗練されたXK8に譲りましたが、XJ-S/XJSは今なお自動車史において特別な存在として記憶されています。

特殊モデルとレース参戦

XJ-S/XJSには、様々な特別モデルも存在しました。例えば、ジャガー・スポーツからはXJR-S6.0が発売され、パフォーマンスを強化した特別な一台でした。また、リンクス・モータースによるXJスパイダーやアーデンのAJシリーズなど、多様なバリエーションが存在します。

さらに、ジャガーはモータースポーツにも注力し、トランザム・チャンピオンシップなどのレースで活躍していました。このようなレースでの成果は、XJ-Sのブランド価値を高め、広く知られることとなりました。

まとめ

XJ-SおよびXJSは、そのデザインと性能から高級車としての地位を確立し、多くのファンに支持されるモデルとなりました。時代を超えて愛され続けているこの車両は、ジャガーの名誉を象徴する存在でもあります。

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