ジャコモ・カリーリ

ジャコモ・カリーリについて

ジャコモ・カリーリ（Giacomo Caliri）は、1940年10月5日にイタリアで生まれた著名なカーレースエンジニアです。カリーリは特にミナルディチームの初代テクニカルディレクター（技術監督）として知られ、多くの成功を収めました。彼のキャリアは1960年代に始まり、その後数十年にわたり、モータースポーツの世界で重要な役割を果たしてきました。

学歴と初期のキャリア

カリーリはトリノ工科大学（Politecnico di Torino）で空力学を学び、1966年に首席で卒業しました。彼のキャリアの最初のステップは、フェラーリでの経験です。ここでは、CanAM向けのスポーツカーの開発に携わり、その後、ヒルクライム用のフェラーリ・312シリーズの開発を担当しました。このプロジェクトでは大きな成果を上げ、彼の技術が評価されました。

同時に、カリーリはフェラーリのF1チームでも仕事をし始めましたが、この時期には特筆すべき成績を残すことはできませんでした。1970年代半ばにはプロトタイプカーのチーフエンジニアに就任し、ルイジ・マルミローリと共に自身のデザイン会社、カリーニ・フライ・スタジオ（Caliri's FLY Studio）を設立しました。1976年には、フェラーリ・365GTのボディワークデザインを成功裏に手がけました。

1978年から1979年にかけて、エマーソン・フィッティパルディに要請され、F1車両の改修や新しいシャシーのデザインを行うなど、さらなる技術者としての実績を積んでいきました。

ミナルディ時代

1980年、カリーリはジャンカルロ・ミナルディから声をかけられ、同チームの最初のF2の設計を務めることになりました。以降、彼は株主としてもミナルディに関与し、1981年にはミケーレ・アルボレートが同チームにとっての初めてのF2勝利を達成することに貢献しました。

1985年、ミナルディがF1に参戦する際、カリーリは同チームにとって初のF1シャシーであるM185を設計し、テクニカルディレクターとして発展的な役割を果たしました。この期間、彼はモトーリ・モデルニのV6ターボエンジンのチューン作業にも関与し、チームのパフォーマンス向上に寄与しました。

彼の最後の設計は1988年のM188で、アルド・コスタにその後を託した後に引退しました。引退後は数ヶ月でミナルディの株を手放し、競技の世界から一時的に離れることとなりました。

カリーリは自分自身の自動車設計に対する信念を強く持っており、インタビューでは「日本の自動車メーカーは素晴らしいが、私に設計を任せてくれたら本当に良いクルマとはどういうことなのかを日本のメーカー技術者にも教えてあげられると思うよ」と述べています。

その後のキャリア

1990年代に入ると、カリーリはマセラッティで技術部長を務め、1997年にはフェラーリに戻り新しい部門の代表を担いました。2002年にはフェラーリを去り、ATRグループのためにコンサルタントとして活動を開始しました。

さらに2004年には、Expotecnicaの社長として新たな挑戦を迎えています。カリーリの長いキャリアは、イタリアおよび国際的なモータースポーツ界において非常に影響力のあるものでした。彼の手掛けたプロジェクトや技術は、今もなお多くのエンジニアにとってのひとつの指標となっています。

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