ジャズワールド

ジャズワールド：日本のジャズシーンを彩った専門新聞

『ジャズワールド』は、株式会社ジャズワールドが発行していた月刊のジャズ専門新聞です。1979年（昭和54年）に創刊され、2020年2月号で休刊となるまで、日本のジャズシーンを様々な角度から伝え続けました。

編集長はヴィブラフォン奏者の内田晃一氏。通巻300号を超える、日本ジャズ界では唯一の専門新聞として、その存在感を示していました。創刊と同じ年の7月には第三種郵便物認可も取得しています。

平均12ページほどの誌面には、記事に加えてジャズ関連の広告も多く掲載されていました。主な記事としては、ジャズ評論家・原田充氏による「あんなこと　こんなこと」という連載記事や、日本のジャズシーンの動向を伝える「On Stage」、今後のジャズ公演情報をまとめた「国内ジャズニュース足報」、編集長自らが執筆する「FROM THE EDITOR」などがありました。また、ジャズ関係者の訃報や、後述する日本ジャズヴォーカル賞に関する記事も掲載されていました。

特徴的な視点

『ジャズワールド』の特徴は、歌手やバンド、そして日本ジャズ界全体に対する独自の批評的な視点でした。創刊当初はその傾向が強かったものの、時代とともにタブロイド的な記事は減少し、国内ジャズのステージ紹介や広告が増加する傾向にありました。

日本ジャズヴォーカル賞

株式会社ジャズワールドが主催する「日本ジャズヴォーカル賞」は、日本ジャズ界で活躍するヴォーカリストにとって権威ある賞として知られています。「大賞」「新人賞」「奨励賞」などの賞が設けられていますが、各賞の部門や受賞人数は固定されておらず、年によって「優秀歌唱賞」が設けられたり、「大賞」の受賞者がいない年もありました。

この賞は1985年（昭和60年）に「水島早苗ジャズヴォーカル賞」としてスタートし、その後「日本ジャズボーカル賞」「ツムラジャズボーカル賞」と名称を変え、現在の「日本ジャズヴォーカル賞」に至っています。歴代の受賞者には、日本のジャズシーンを代表するヴォーカリストたちが名を連ねています。

『ジャズワールド』は休刊となりましたが、その貴重な記録と日本ジャズ界への貢献は、今もなお多くの人々の記憶に残っています。

ジャズワールド公式サイト - 日本ジャズヴォーカル賞の詳細が掲載されています。

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