ジャズ・シンガー (1980年の映画)

映画『ジャズ・シンガー』（1980年）の詳細解説

1980年に公開されたアメリカ映画『ジャズ・シンガー』（原題：The Jazz Singer）は、映画史に名を残すトーキー作品のリメイクとして制作されました。この作品は、音楽とドラマが交錯する物語で、多くの注目を集めました。

制作の背景

当初、監督にはシドニー・J・フューリーが予定されていましたが、降板。その後、リチャード・フライシャーが監督を務め、映画は完成しました。主演には、歌手として人気を博していたニール・ダイアモンドが抜擢され、彼の音楽的才能が映画に大きく貢献しました。共演には、名優ローレンス・オリヴィエと、女優ルーシー・アーナスが名を連ねています。ルーシー・アーナスは、ブロードウェイで評判となったミュージカル『デュエット』でデビュー後、この映画への出演を機に舞台から映画界へと進出しました。

ストーリーと音楽

映画のためにニール・ダイアモンドが書き下ろした楽曲群は、映画公開前から大きな話題を呼びました。「America」、「Love on the Rocks」、「Hello Again」などの楽曲は、サウンドトラックとして100万枚以上を売り上げ、映画の興行収入も2700万ドルを超える大ヒットを記録しました。これらの楽曲は、映画のストーリー展開と登場人物の感情を豊かに表現しています。しかし、映画そのものに対する評価は、賛否が分かれました。

評価と賞

興行的な成功を収めた一方で、映画自体の評価は低いものとなり、同年のアカデミー賞では、『レイジング・ブル』、『エレファント・マン』、『テス』といった作品が話題をさらいました。主演のニール・ダイアモンドは、ゴールデングローブ賞主演男優賞にノミネートされる一方で、ゴールデンラズベリー賞主演男優賞にもノミネートされるという、皮肉な結果となりました。このことは、彼の演技に対する賛否両論を象徴しています。

主要キャスト

ジェス・ロビン：ニール・ダイアモンド
カントル ラビノヴィッチ：ローレンス・オリヴィエ
モリー・ベル：ルーシー・アーナス
リフカ・ラビノヴィッチ：カトリン・アダムズ
ブッバ：フランクリン・アジャイ
キース・レノックス：ポール・ニコラス

主要スタッフ

監督：リチャード・フライシャー
製作：ジェリー・レイダー
原案：サムソン・ラファエルソン
脚本：ハーバート・ベイカー
音楽：レナード・ローゼンマン
撮影：イシドア・マンコフスキー
編集：モーリー・ワイントローブ

受賞歴とノミネート

受賞

米国作曲家作詞家出版者協会（ASCAP）映画・テレビ音楽賞
映画演奏賞 - 「America」ニール・ダイアモンド
ゴールデンラズベリー賞
主演男優賞 - ニール・ダイアモンド
助演男優賞 - ローレンス・オリヴィエ

ノミネート

ゴールデングローブ賞
主演男優賞（ミュージカル・コメディ部門） - ニール・ダイアモンド
助演女優賞 - ルーシー・アーナス
オリジナル歌曲賞 - 「Love on the Rocks」ニール・ダイアモンド、ジルベール･ベコー
グラミー賞
映画・テレビ・サウンドトラック部門
ゴールデンラズベリー賞
作品賞
監督賞 - リチャード・フライシャー、シドニー・J・フューリー
歌曲賞 - 「You, Baby, Baby!」

外部リンク

ジャズ・シンガー - allcinema
ジャズ・シンガー - KINENOTE
The Jazz Singer - オールムービー（英語）
The Jazz Singer - IMDb（英語）


映画『ジャズ・シンガー』は、音楽とドラマが融合した作品として、今もなお多くの人々に語り継がれています。

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