ジャズ・シンガー

ジャズ・シンガー (1927)

『ジャズ・シンガー』（The Jazz Singer）は、1927年10月6日にワーナー・ブラザースが公開したアメリカ合衆国の映画です。ヴァイタフォン方式による音声付き映画であり、長編映画としては「世界初」のトーキーとして知られています。また、世界初のミュージカル映画としても重要な作品です。

概要

この映画は、部分的なトーキー（パートトーキー）でありながら、驚異的な興行収入を記録し、トーキー映画時代の幕開けを告げました。第1回アカデミー賞では脚色賞にノミネートされています。

映画の中でアル・ジョルソンが歌うシーンや、「Wait a minute, wait a minute. You ain't heard nothin' yet!（待ってくれ、お楽しみはこれからだ!）」というセリフは非常に有名で、アメリカ映画の名セリフベスト100では71位にランクインしています。

1953年と1980年にはリメイク版も製作されました。

ストーリー

ユダヤ人の少年ジェイキー・ラーヴィノヴィッツは、酒場で歌っていたところを厳格な父親に見つかり勘当されます。数年後、ジャック・ロビンと名を変えた彼は、ジャズシンガーとして成功を収めます。舞台女優メアリーとの恋も芽生え、彼女の助けを得て大舞台に立つチャンスを得ますが、その前日に母親が訪ねてきます。

彼が歌う日は、ユダヤ教の聖なる日ヨム・キプルであり、父親が司祭長を務める教会では讃美歌が歌われる日でした。しかし、父親が病に倒れ、母親はジャックに父の代わりに讃美歌（コル・ニドレイ）を歌ってほしいと頼みます。メアリーは、ジャックがジャズ歌手として成功している今、親の都合で大舞台を棒に振るべきではないと反対しますが、彼は教会で讃美歌を歌うことを選びます。

メアリーの嘆きをよそに、ジャックは父親の代役を見事に務め、父親は息子の歌声を聴きながら息を引き取ります。数か月後、再び大舞台に立つことになったジャックは、顔に墨を塗って黒人に扮し、「マイ・マミー」を熱唱します。母親は涙を流しながら彼の姿を見守るのでした。

キャスト

アル・ジョルソン
メイ・マカヴォイ
ワーナー・オーランド
オットー・レデラー

おもな劇中歌

ブルー・スカイ
マイ・マミー

関連項目

ジョルスン物語
映画史
ヴァイタフォン
農園シーンでの歌
ドン・ファン (1926年の映画)
ジャズ・シンガー (1952年の映画)
ジャズ・シンガー (1980年の映画)
ヨッセル・ローゼンブラット
* ミンストレル・ショー

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