ジャズ娘誕生

『ジャズ娘誕生』は、1957年4月3日に公開された日活製作のミュージカルコメディ映画です。春原政久が監督を務め、主演には当時人気絶頂だった江利チエミと石原裕次郎が名を連ねています。この映画は、地方で弟と共に椿油を販売する娘が、ひょんなことから歌手としての才能を見出され、スターダムへと駆け上がっていく姿を、歌と踊りを交えながらコミカルに描いています。

物語の中心となるのは、主人公である河井みどり（演：江利チエミ）です。彼女は持ち前の明るさと歌唱力を生かし、歌手になる夢を叶えようと奮闘します。また、みどりの相手役として登場する南条春夫（演：石原裕次郎）は、彼女の才能をいち早く見抜き、成功へと導く重要な役割を担います。

映画では、二人の他にも個性豊かなキャラクターたちが物語を彩ります。みどりの才能を見出す谷東峰役には小杉勇、加藤豊役には二本柳寛、花村千役には殿山泰司といったベテラン俳優たちが脇を固め、物語に深みを与えています。また、青山恭二、木室郁子、丹下キヨ子、キドシン、牧眞介、武藤章生、山田禪二、天草四郎など、豪華なキャストが多数出演し、それぞれの個性を発揮しています。

映画を彩る音楽は、村山芳男が担当しています。ジャズの要素を取り入れたキャッチーでリズミカルな楽曲は、物語をさらに盛り上げ、観客を魅了します。また、撮影は姫田真佐久、編集は中村正が担当しており、当時の映画製作の技術の高さを伺い知ることができます。脚本は、人気放送作家の辻真先が手掛けています。

映画の原作は、松村基生の小説です。その原作を元に、脚本家の辻真先が映画用の脚本を書き上げました。製作は柳川武夫と茂木了次が担当し、日活が映画を制作しました。

『ジャズ娘誕生』は、ミュージカル映画としての魅力はもちろんのこと、当時の社会風俗や人々の生活を垣間見ることができる貴重な作品でもあります。明るく元気なヒロインが夢を叶える姿は、観る人に勇気と希望を与えてくれます。

この映画は、公開当時から多くの観客を魅了し、現在でも昭和の映画を代表する作品の一つとして愛されています。音楽、笑い、そして夢と希望が詰まった『ジャズ娘誕生』は、時代を超えて多くの人々に楽しまれる作品と言えるでしょう。

キャスト
河井みどり：江利チエミ
南条春夫：石原裕次郎
谷東峰：小杉勇
加藤豊：二本柳寛
花村千：殿山泰司
加藤義彦：青山恭二
早苗：木室郁子
お芳：丹下キヨ子
ダムダム：キドシン
健：牧眞介
武藤君：武藤章生
大黒座主権堂：山田禪二
光劇場主上山：天草四郎
河井ヒデ子：刈屋ヒデ子
ユキ：西田佐智子
さくら：日輪マコ
朱美：左京路子
お花：新井麗子
たまみ：東郷たまみ
レストランニュースター支配人：三島謙
ボプ・ホープ：黑田剛
河井デブチン：亀谷雅敬 (劇団若草)
新聞記者：紀原耕
新聞記者：八代康二
杉君：杉幸彦
女子高校生：東谷暎子
女子高校生：堀恭子
お里：上田正世
お春：佐藤和子
榎木兵衛

スタッフ
監督：春原政久
脚本：辻真先
原作：松村基生
音楽：村山芳男
撮影：姫田真佐久
編集：中村正
* 製作：柳川武夫、茂木了次

もう一度検索