小杉勇

小杉 勇（こすぎ いさむ）

小杉勇（本名：小杉助治郎）は、1904年2月24日に宮城県石巻市で生まれ、日本の映画業界において重要な地位を占めた俳優と映画監督です。彼の息子、小杉太一郎は作曲家としても知られています。小杉勇の家族には、漫談家の山野一郎の娘が息子の妻としております。

幼少期と学び

小杉は、石巻商業学校を卒業後、上京し日本橋白木屋百貨店での職に就きました。しかし、彼の心の中には、演技への情熱がありました。1923年、彼は日本映画俳優学校に入学し、八木保太郎や吉村廉、島耕二といった同期と共に俳優への道を進むこととなります。

映画業界での成長

彼が日活京都撮影所に入社したのは1925年のことでした。当時、日活はスター不足に悩んでおり、小杉は新時代を象徴するヒーローとしての期待を一身に背負うこととなりました。1929年には、内田吐夢監督による『生ける人形』で彼の新しいヒーロー像が確立しました。この作品を皮切りに、阿部豊の『女性讃』や村田実の『この太陽』といった映画で、彼は傾向映画の新たな代表者として名を馳せていきます。

その後も、『限りなき前進』や『真実一路』など多くの作品に主演し、特に田坂具隆監督との共演である『路傍の石』、そして『土と兵隊』では、重厚な演技を披露し、彼の地位を確固たるものとしました。

監督としてのキャリア

戦後、小杉は俳優活動に加えて映画監督としても成功を収めることになります。彼は東横映画や東映を経て日活で数多くの娯楽作品を制作しました。監督としての作品でも高く評価され、視聴者に深い印象を残すことが多々ありました。俳優としても他監督の作品に参加するなど、多才な表現者としての一面を見せていました。

1983年4月8日には79歳でこの世を去り、東京国立近代美術館フィルムセンターに貴重な資料を遺贈しました。彼の映画史における功績は今なお色あせることなく、多くの人々に影響を与え続けています。

主な作品一覧

そのキャリアの中で、彼は数多くの映画に出演しました。以下に、その中から特に代表的な作品を挙げます。

• - 死の宝庫（1926年）
• - 維新の京洛 竜の巻・虎の巻（1928年）
• - 生ける人形（1929年）
• - 東京行進曲（1929年）
• - 真実一路（1937年）
• - 路傍の石（1938年）
• - 愛の一家（1941年）
• - みんなの歌（1955年）

また、彼の監督作品としては、以下のような映画があります。

• - 花嫁選手（1948年）
• - 刑事物語シリーズ（1960年〜1961年）
• - 地獄の波止場（1956年）
• - あばれ騎士道（1965年）

小杉勇の業績は、映画という芸術に新たな風を吹き込み、多くの後進に影響を与えたことが評価されています。

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