ジャッキー・チェンの飛龍神拳

映画『ジャッキー・チェンの飛龍神拳』の概要と魅力

『ジャッキー・チェンの飛龍神拳』（原題：飛渡捲雲山、英題：Magnificent Bodyguards）は、1978年に香港で制作されたアクション映画です。この作品は、主にジャッキー・チェンが主演し、監督はロー・ウェイが務めました。特に注目すべきは、この映画が3D立体映画として制作されている点です。

制作背景

映画の原作は、著名な武侠小説家古龍の作品『拳頭』に基づいており、脚本も彼自身が手がけています。ジャッキー・チェンは、ロー・ウェイが制作したコメディ映画『カンニング・モンキー/天中拳』に激怒し、それを封印しました。それを受けて、ロー・ウェイが新たに持ち出した企画が本作であり、彼の意気込みを感じさせます。

しかしながら、撮影中もジャッキーとローの関係はぎくしゃくしており、直接コミュニケーションを取ることができなかったため、演技監督を挟んで指導を行うという状況でした。ロー・ウェイは多額の製作費をかけて臨んだものの、興行的成功は得られず、配給先の確保にも苦労しました。

映画のストーリー

物語は、武術に秀でた主人公・ディン（ジャッキー・チェン）が、美女ランから病気の弟を京城へ連れて行ってほしいと頼まれるところから始まります。しかし、その道のりには捲雲山が立ちはだかります。この山には優れた武術を持つ盗賊たちが多数待ち構えているため、誰も生きて帰ることができないと言われていました。

ディンは、仲間のチャンとションと共に、用心棒として捲雲山に挑みます。チャンは耳が不自由で読唇術に長けた足技の使い手、ションは皮剥ぎの男という異色の仲間たちです。次々に現れる盗賊たちを辛くも打ち倒し、ついには盗賊団の首領・チューの牙城へ到達します。

そこから驚くべき展開が待っていました。本来カゴの中に隠れていた病気の弟が、実は本物のチューであったのです。5年前、チューは恋人から毒を盛られ、山を追われていたのです。ディンたちは、チューの娘であるランが父親と共謀していることを知り、決して受け入れることができず、壮絶な戦いへと突入していきます。

日本での受容

『飛龍神拳』は、日本では数少ない劇場未公開映画のひとつです。テレビ東京では、特別番組として『ヤング・ボディガード/神拳』というタイトルで放送された後、様々な邦題でビデオリリースが行われました。近年、テレビ東京版日本語吹替収録でDVDおよびBlu-ray化もされ、ファンの間で人気を博しています。

終わりに

本作は、ジャッキー・チェンの初期の重要な作品のひとつであり、特に立体映画としての試みや、アクションシーンの迫力は他の作品に劣らない魅力があります。俳優と監督の関係性、製作の裏話なども含め、多くの要素が詰まった作品として、映画ファンにとって興味深い内容を持っています。ぜひ、彼のアクションともに、物語の深さを楽しんでいただきたい一作です。

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