ジャック・デラ・マダレナ

ジャック・デラ・マダレナ（Jack Della Maddalena）は、1996年9月10日生まれ、オーストラリア西オーストラリア州パース出身のプロ総合格闘家です。スクラッピーMMAに所属し、現在はUFC世界ウェルター級王者としてこの階級の頂点に君臨しています。

キャリアの始まり

幼少期にはラグビーに熱中し、その後10代になると兄の影響を受けてボクシングのトレーニングも開始しました。コンタクトスポーツで培った身体能力と打撃の技術を基礎に、ラグビーから引退後、総合格闘技の道に進むことを決意。2016年にプロ総合格闘家としてのキャリアをスタートさせました。

UFCへの参戦と快進撃

プロでの経験を積んだデラ・マダレナは、世界最高峰の舞台であるUFCを目指します。2021年9月には、登竜門として知られるダナ・ホワイトのコンテンダーシリーズに出場。アンジュ・ルーサを相手に判定勝利を収め、見事UFCとの正式契約を勝ち取りました。

2022年1月、UFCデビュー戦となったUFC 270でピート・ロドリゲスと対戦。試合開始早々から得意の打撃で主導権を握り、左ストレートで相手をぐらつかせ、追撃のパウンドで1ラウンドTKO勝利を飾る衝撃的なデビューを果たしました。

続く2022年6月のUFC 275では、ラマザン・エミーフと対戦。ここでも強烈な左ボディブローで相手をキャンバスに沈め、パウンドによる1ラウンドTKO勝利。この圧倒的なパフォーマンスが評価され、自身初のパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞しました。

同年11月には、ダニー・ロバーツを相手に3試合連続となる1ラウンドTKO勝利を達成。スタンドでのパンチ連打で相手を倒し、2度目のパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞するなど、ウェルター級戦線における最注目の新星としての地位を確立しました。

2023年2月、UFC 284ではランディ・ブラウンと対戦。これまでの打撃によるフィニッシュに加え、右フックでダウンを奪った後、追撃のグラウンド＆パウンドからリアネイキドチョークへの移行で1ラウンド一本勝ちを収めました。これにより、フィニッシュパターンにサブミッションも加わることを証明し、3試合連続のパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞。UFCでの連勝記録を「全試合フィニッシュ」という驚異的な形で更新し続けました。

トップ戦線での戦い

UFCでの連勝記録を伸ばす中で、デラ・マダレナはランキング上位の選手たちとの対戦へと駒を進めます。2023年7月のバシル・ハファス戦では、タフな相手との激しい打ち合いとなり、キャリア初の判定決着となりましたが、2-1で勝利を収め、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞しました。

同年9月には、ランキング13位のケビン・ホランドと対戦。ここでもフルラウンドに及ぶ接戦となりましたが、2-1の判定で勝利し、ランキング入りを果たしました。

そして、2024年3月のUFC 299では、元王座挑戦者でランキング4位のギルバート・バーンズとのビッグマッチが実現。試合序盤に左前腕を骨折するというアクシデントに見舞われながらも、一進一退の攻防を繰り広げました。そして3ラウンド、グラウンドから立ち上がった直後に放った強烈な右膝蹴りでバーンズからダウンを奪い、追撃のグラウンドでの肘打ち連打でKO勝利を飾りました。この勝利は、彼の精神的な強さ、戦術的な対応力、そして類まれなるフィニッシュ能力を改めて世界に示し、4度目のパフォーマンス・オブ・ザ・ナイト受賞と共に、ウェルター級タイトル戦線における地位を確固たるものとしました。

タイトルと表彰

これらの素晴らしい戦績とパフォーマンスが評価され、ジャック・デラ・マダレナはUFC世界ウェルター級の第15代王座を獲得しました（2025年）。また、これまでにEternal MMAウェルター級王座も獲得しています。UFCでは、ファイト・オブ・ザ・ナイトを1回、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを4回受賞するなど、そのエキサイティングなファイトスタイルは常に高く評価されています。

獲得タイトル

Eternal MMAウェルター級王座 (2018年)
第15代UFC世界ウェルター級王座 (2025年)

表彰

UFC ファイト・オブ・ザ・ナイト (1回)
UFC パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト (4回)

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