ジャック・ヘスロップ＝ハリソン

ジョン・ヘスロップ＝ハリソン（John "Jack" Heslop-Harrison、1920年2月10日 - 1998年5月7日）は、イギリスを代表する植物学者です。彼は、王立植物園（キューガーデン）の園長を歴任したほか、植物発生学の研究において重要な業績を残しました。

生い立ちと教育

ヘスロップ＝ハリソンは、イングランド北東部のミドルスブラで生まれました。彼の父は植物学者で遺伝学者のジョン・ウィリアム・ヘスロップ＝ハリソン、兄は昆虫学者のジョージ・ヘスロップ＝ハリソンという、科学一家に育ちました。彼はニューカッスル大学のキングズカレッジで、化学、物理学、生物学を学びました。

第二次世界大戦と研究活動の開始

第二次世界大戦勃発により、1941年に召集され、レーダー技術者としてオークニー諸島で勤務しました。その後、連合軍の技術将校としてドイツ軍が開発した技術の評価に従事しました。終戦後、ダラム大学の農業植物学講師として教鞭をとり始め、1946年にはクイーンズ大学ベルファストの講師として着任し、博士号を取得しました。

研究者としてのキャリア

1950年からはユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの講師、1953年には分類学の准教授に昇進しました。1954年にはクイーンズ大学ベルファストに戻り、1960年にはバーミンガム大学の植物学教授に就任しました。1967年にはウィスコンシン大学マディソン校の教授と、植物発生研究所の所長を兼任しました。

キューガーデン園長時代とその後

1970年から1976年まで、彼は王立植物園（キューガーデン）の園長を務めましたが、辞任後はアベリストウィス大学の研究教授となりました。彼は1970年に王立協会のフェローに選出されています。

受賞歴

ヘスロップ＝ハリソンは、数々の栄誉ある賞を受賞しています。1967年にはロンドン・リンネ協会が若手研究者に贈るトレイル・クリスプ賞を受賞しました。1971年にはインド花粉学会のエルドマン国際メダル、1974年には王立協会のクルーニアン・メダルを受賞しています。また、1982年には妻のヨランド・ヘスロップ＝ハリソンと共にダーウィン・メダル、1984年にはエディンバラ王立協会からキース･メダル、1996年にはリンネ・メダルを受賞しました。さらに、1996年にはリボソームDNAの研究などでロイヤル・メダルも受賞しています。

研究内容

ヘスロップ＝ハリソンの研究は、植物の発生学、細胞生物学、そして分類学に及びます。特に、植物の生殖機構における花粉管の研究や、リボソームDNAの研究など、植物の分子生物学的な側面に焦点を当てた研究が高く評価されています。彼の研究は、植物学の分野における基礎的な知識の発展に大きく貢献しました。

参考文献

B. E. S. Gunning, "John Heslop-Harrison. 10 February 1920 - 7 May 1998: Elected F.R.S. 1970," Biogr. Memoirs Fellows Royal Society, 2000.
Autobiographie Teil 1, pdf, Teil 2, pdf, Teil 3, pdf

結論

ジョン・ヘスロップ＝ハリソンは、その生涯を通じて植物学の発展に大きく貢献した偉大な科学者でした。彼の研究は、現代の植物学の基礎を築き、次世代の研究者たちに大きな影響を与え続けています。

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