ジャック2世 (ラ・マルシュ伯)

ジャック2世・ド・ブルボン：波乱に満ちた生涯

ジャック2世・ド・ブルボン（1370年 - 1438年9月24日）は、14世紀後半から15世紀前半にかけて生きたフランスの貴族であり、ラ・マルシュ伯として知られています。彼の生涯は、軍事的な活躍、政治的な陰謀、そして宗教的な献身が入り混じった、波乱に満ちたものでした。

若き日の活躍と捕虜生活

1370年、ジャック2世はラ・マルシュ伯ジャン1世とヴァンドーム女伯カトリーヌの間に長男として生まれました。1396年、彼はニコポリスの戦いで初陣を飾りますが、この戦いで捕虜となり、身代金を要求されるという憂き目に遭いました。この経験は、彼の後の人生に大きな影響を与えたと考えられます。

イングランド侵攻と政治的立場

フランスに戻ったジャック2世は、イングランドへの侵攻を計画し、オワイン・グリンドゥールを支援しました。1403年には、自ら軍を率いてプリマスを焼き払うなど、イングランドに対して積極的に行動しました。しかし、この遠征は嵐によって艦隊の多くを失い、不首尾に終わりました。

フランス国内では、ブルゴーニュ公ジャン無畏公を支持し、アルマニャック派と対立しました。これらの政治的な立場は、彼の活動を複雑にし、国外での滞在を余儀なくされることもありました。

ナポリ女王との結婚と失脚

1415年、ジャック2世はナポリ女王ジョヴァンナ2世と結婚しました。この結婚は、女王のお気に入りであったパンドルフォ・アロポとムーツィオ・アッテンドロ・スフォルツァの勢力を弱める目的がありました。ジャック2世は王位こそ与えられませんでしたが、司令官代理、カラブリア公、ターラント公などの地位を得ました。しかし、彼はアロポを処刑し、スフォルツァを投獄し、さらに女王を監禁するなど強硬な姿勢を示したため、貴族たちの反発を招きました。

1416年、ジャック2世は貴族たちによって捕らえられ投獄され、スフォルツァを解放せざるを得なくなりました。最終的に、彼は王権から退くことを余儀なくされ、1419年にはナポリ王国から追放されました。この出来事は、彼の政治的な野心が挫折したことを示すものでした。

晩年と死

フランスに戻ったジャック2世は、1428年にフランス王シャルル7世のためにイングランド軍と戦い、ラングドックの総督に任命されました。しかし、1435年には退位し、フランシスコ会の修道士となりました。1438年、彼はその生涯を終えました。

結婚と子女

ジャック2世は、二度の結婚を経験しました。1406年にはナバラ王カルロス3世の娘ベアトリスと結婚し、3人の娘をもうけました。これらの娘たちは、それぞれラ・マルシュ女伯、修道女としてそれぞれの道を歩みました。

エレオノール（1407年 - 1462年以降）：ラ・マルシュ女伯、ヌムール女公。
イザベル（1408年 - 1445年以降）：ブザンソンの修道女。
* マリー（1410年 - 1445年以降）：アミアンの修道女。

1415年には、ナポリ女王ジョヴァンナ2世と結婚しましたが、この結婚では子供をもうけることはありませんでした。

まとめ

ジャック2世・ド・ブルボンは、その生涯を通して、軍事的な活躍から政治的な陰謀、そして宗教的な献身まで、様々な側面を見せました。彼の人生は、中世ヨーロッパの激動期を象徴するものであり、その行動は後世に多くの影響を与えたと言えるでしょう。

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