ジャパンセブンズ

ジャパンセブンズは、公益財団法人日本ラグビーフットボール協会（JRFU）が主催する、男子セブンズ（7人制ラグビー）の国内最高峰の全国大会です。

概要と名称の変遷

この大会は1993年に「ジャパンセブンズ選手権大会」として創設されました。当初から「ジャパンセブンズ」という略称で広く呼ばれ、2013年からはこの略称が正式名称となりました。国内のラグビー大会としては初めて賞金が設定された大会としても知られています（2013年時点）。

歴史を通じて、女子の部や高校の部が設けられた時期もありましたが、2016年以降は男子の部に特化して開催されています。女子の7人制ラグビーにおける主要な全国大会としては、現在「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ」が位置づけられています。

2018年大会を最後に一旦休止していましたが、パリオリンピック2024の開催を控えた2024年に、6年ぶりに復活開催されました。

歴史

創設と男子日本一決定戦

記念すべき第1回大会は1993年3月20日・21日に秩父宮ラグビー場で開催されました。「ジャパンセブンズ選手権大会」の名称のもと、大学や社会人のトップチーム24チームが集結し、初代の男子7人制日本一が決定されました。

国際大会としての展開

1995年から1999年にかけては、海外の有力チームを招待し、国際大会として規模を拡大して開催されました。この時期には「ナイキジャパンセブンズ」（1997年）や「カンタベリー・オブ・ニュージーランドジャパンセブンズ」（1998年）のように、冠スポンサー名を冠した大会名で行われたこともあります。2000年にIRB（現ワールドラグビー）によるセブンズワールドシリーズが始まると、ジャパンセブンズの国際大会部分は「ワールドセブンズTOKYO」として独立し、分離開催されることになりました。

国内大会への回帰と部門の追加・再編

2000年からは再び国内大会として開催される形態に戻りました。2002年には、高校セブンズラグビーフットボール選手権大会が「高校の部」として本大会に組み込まれ、同時に女子の部も新設されました。しかし、2003年のラグビーワールドカップ開催に伴い、2004年の国内シーズンが例年より長期化した影響で、選手のコンディションなどを考慮し、この年の「成人の部」の開催は見送られました。

高校生大会への規模縮小

2004年に成人の部が中止されたことを受け、大会は「高校男子の部」のみの開催へと規模を縮小し、会場も江戸川区陸上競技場などに変更されました。「女子の部」は、同時期に別途開催されるようになった「Japan Women's Sevens」へと統合されました。これにより、成人男子の「ジャパンセブンズ」はその後約7年間、開催されませんでした。

この間、高校男子の部は2009年には日本オリンピック委員会（JOC）から「JOCジュニアオリンピックカップ」の一つに認定され、大会最優秀選手に同賞が授与されるなど、その地位を確立しました。ジャパンセブンズが高校生大会となったため、成年男子の全国大会としては、2010年には「セブンズフェスティバル2010 in TOKYO」という別大会が開催されました。東日本大震災の影響による中止（2011年）や、別の国際大会（東京セブンズ）開催もあり、高校男子としてのジャパンセブンズは2010年大会が最後となりました。

成人大会の復活と男女共催、そして男子専念へ

7人制ラグビーがリオデジャネイロオリンピック（2016年）の正式種目となったことを背景に、2013年5月26日、男子・女子それぞれの日本一を決める大会としてジャパンセブンズが秩父宮ラグビー場で復活を遂げました。この復活時に大会名から「選手権」が取れ、正式に「ジャパンセブンズ」となりました。森永製菓（「ウィダー」「inゼリー」ブランド）などの特別協賛を得て開催され、国内大会では初めてとなる賞金（男子成人のみ、優勝100万円、準優勝30万円）が設定されました。この2013年に限り、別日程で「高校の部」も開催されました。

2014年、2015年も引き続き開催されましたが、女子の部は「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ」との開催時期の重複などから、非開催となる年もありました。2016年からは、ファーマホールディング（現メディカルシステムネットワーク、「なの花薬局」ブランド）が特別協賛となり、「なの花薬局ジャパンセブンズ」として開催。この時期から男子のみの大会へと縮小し、2018年大会をもって一旦その歴史に幕を下ろしました。

パリオリンピック前哨戦としての復活

2018年以来の空白期間を経て、パリオリンピック開幕の約2週間前にあたる2024年7月15日、「なの花薬局ジャパンセブンズ2024」として、再び秩父宮ラグビー場での開催が実現しました。この復活は、パリオリンピックに臨む男子セブンズ日本代表候補選手の強化・育成を促進する目的も含まれており、代表候補の発掘・育成を目的としたチーム「男子セブンズTID（Talent Identification and Development）」の2チームを含む、合計10の男子チームが参加しました。この大会では賞金も復活し、優勝チームには150万円、準優勝チームには50万円が贈られました。

ジャパンセブンズは、その歴史の中で大会形式、参加チーム、部門構成など、多くの変遷を経てきました。これは、7人制ラグビーの国内普及、強化、そして国際舞台での活躍を目指す日本ラグビーフットボール協会の取り組みと連動しており、日本のセブンズ史を語る上で重要な大会の一つと言えます。

（注）文中に出てくるSDS（Sevens Development Squad）およびTID（Talent Identification and Development）は、いずれもセブンズ日本代表候補の発掘・育成を目的としたチーム編成を指します。

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