ジャベツ・ラマー・モンロー・キュリー

ジャベツ・ラマー・モンロー・キュリー（Jabez Lamar Monroe Curry, 1825年6月5日 - 1903年2月12日）は、アメリカ合衆国南部出身の弁護士、軍人、政治家、教育者、外交官です。彼は、南北戦争中に南軍の士官として従軍した一方で、戦後は南部の教育改革に生涯を捧げました。

生い立ちと教育

キュリーはジョージア州の農園主の家庭に生まれ、アラバマ州で育ちました。1843年にジョージア大学を卒業後、ハーバード・ロー・スクールに進学。そこで教育改革者ホーレス・マンの講義に感銘を受け、無償の普遍的教育を提唱するようになりました。この経験が、後の彼の教育改革への情熱を決定づけたと言えるでしょう。ジョージア大学時代には、ファイ・カッパ文学会の会員としても活動しました。

軍人、政治家としての活動

米墨戦争に従軍した後、キュリーはアラバマ州議会議員を複数回務め、1857年から1861年にはアメリカ合衆国下院議員として連邦議会で活動しました。その後、南北戦争が勃発すると、アメリカ連合国議会下院議員となり、南軍では中佐としてジョセフ・ジョンストンとジョセフ・ホィーラー両将軍の参謀を務めました。

教育者としての貢献

南北戦争終結後、キュリーは牧師を目指して神学を学びましたが、その活動の軸は南部の教育の改善へと移ります。彼は、州立の師範学校、適切な地方学校、段階的な公立学校制度の必要性を訴え、各地で講演活動を展開しました。アラバマ州のハワード大学の学長、バージニア州のリッチモンド・カレッジの教授を歴任。1881年からは、ピーボディ教育基金とスレーター基金の代理人として南部の教育支援に取り組み、南部教育委員会の設立を主導しました。彼の教育への貢献を称え、バージニア大学にはキュリー教育学部が設けられています。

外交官としての活動

教育活動の傍ら、キュリーは外交官としても活躍しました。1885年から1888年までスペインへの特派使節兼全権公使を務め、1902年にはスペイン国王アルフォンソ13世の親政開始にあたって特命大使に任命されています。

著作と晩年

キュリーは、教育、アメリカ政府、スペインの歴史に関する著作を多数発表しました。代表的なものに、『スペインの立憲政府』、『ウィリアム・エワート・グラッドストン』、『アメリカ連合の南部州』、『黒人教育に関する困難さ、複雑さおよび限界』、『アメリカ連合国政府の民間歴史、幾らかの個人的回想と共に』などがあります。また、カルロス3世王室政令や複数の名誉学位も授与されています。1903年2月12日、キュリーはノースカロライナ州アシュビルで生涯を閉じ、バージニア州リッチモンドに埋葬されました。

後世への影響

キュリーは、その功績を称えられ、アメリカ合衆国議会議事堂の国立彫像ホール・コレクションにアラバマ州代表の彫像として飾られています。この彫像は、彫刻家ダンテ・ソディニによって制作され、1908年に寄贈されました。キュリーの生涯は、南北戦争後の南部の復興期において、教育がいかに重要であったかを物語っています。彼は、教育を通して社会の変革を目指した人物として、今日でも高く評価されています。

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