ジャム・バンド

ジャム・バンドとは

ジャム・バンドとは、1960年代に登場したグレイトフル・デッドやオールマン・ブラザーズ・バンドをルーツとし、1990年代のフィッシュなどによって発展した、即興演奏を主体とするロック・バンドの総称です。

特徴

ジャム・バンドの最大の特徴は、ライブパフォーマンスにおける自由度の高い即興演奏（ジャム）です。リズミカルなグルーヴとコード進行をベースに、メンバー間の相互作用によって、予測不能な音楽が繰り広げられます。

また、ジャム・バンドの音楽は、ロックを基盤としながらも、様々な音楽ジャンルの要素を柔軟に取り入れることが多く、ファンク、プログレッシブ・ブルーグラス、クロスオーバー、ブルース、カントリー、フォーク、ルーツミュージック、ワールドミュージックなど、多岐にわたる音楽スタイルが融合しています。

歴史

ジャム・バンドのルーツは、1960年代のグレイトフル・デッドに遡ります。彼らの独創的な音楽性は、当初サイケデリック・ロックとして分類されていましたが、1990年代以降、「ジャム・バンド」という言葉が定着し、ジャンルとして確立しました。

ディーン・ブドニックが1998年に著した『Jam Bands: North America's Hottest Live Groups Plus How to Tape and Trade Their Shows』は、当時盛り上がりを見せていたジャム・バンド・シーンを象徴する書籍と言えるでしょう。

21世紀に入ってからも、デレク・トラックス・バンド、テデスキ・トラックス・バンド、フィッシュ、ギャラクティック、ソウライヴ、ガヴァメント・ミュール、レフトオーバー・サーモンなど、数多くのバンドがジャム・バンドの伝統を受け継ぎ、活躍を続けています。

ライブ録音と共有文化

ジャム・バンドのもう一つの特徴として、「ライブの自由な録音」と「録音の非営利目的での利用」を許可しているバンドが多いことが挙げられます。これは、グレイトフル・デッドが先鞭をつけた文化であり、ファン同士がライブ音源を交換し、共有することで、コミュニティが形成されていきました。

また、バンド側も公式海賊版をリリースするなど、この文化を積極的に取り入れています。インターネット配信の普及により、ライブ音源を低コストでファンに提供するバンドも増えています。

主なジャム・バンド

グレイトフル・デッド
フィッシュ

関連事項

* 即興演奏

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