ジャワカレー

ハウス食品から提供される即席固形カレールーの一つに、「ジャワカレー」があります。これは、ハウス食品グループ本社の登録商標（第2704723号など）として管理されている、同社の主要ブランドの一つです。

このカレーの最大の特徴は、時間をかけて丁寧にローストされたオニオンがもたらす、深いコクにあります。ただ辛いだけでなく、そのコクに加えて、さわやかな辛さと芳醇な香りが絶妙なバランスで調和し、独特の豊かな風味を醸し出しています。製品ラインナップにおける辛さの指標としては、一般的に辛味順位表で3から6までの範囲が設定されており、甘口から大辛まで、幅広い辛さのニーズに対応した選択肢が用意されています。

「ジャワカレー」という名称は、遠くインドネシアのジャワ島から名付けられました。この南国の島が持つエキゾチックで豊かなイメージが、このカレーの風味やコンセプトに重ね合わされているのかもしれません。

発売以来、様々なキャッチフレーズが展開されてきました。代表的なものとしては、「深い味わい、さわやかな辛さ。」「さわやかな大人の辛さ。」といった、製品の主要な特徴をストレートに伝えるものがあります。過去のCMでは、俳優の西城秀樹氏が出演し、「大人は辛口。」（1986年の前期CM）や「僕ら、ジャワ原人。」（1987年の後期CM）といった印象的なセリフが用いられたこともあります。

現在展開されている主な商品ラインナップには、定番の「ジャワカレー」（甘口、中辛、辛口）に加え、さらなる辛さを追求した「ジャワカレー スパイシーブレンド」（大辛）、手軽に本格的なキーマカレーを楽しめる「ジャワカレー キーマカレー」（中辛）、そして高品質な素材を用いた「プライムジャワカレー」（中辛、辛口）などがあります。過去には、調理済みルウの「ククレジャワカレー」や、若年層向けと思われる「ヤングジャワカレー」、ビーフオニオンベースのレトルト版なども存在しましたが、現在は販売を終了しています（ただし、レトルトタイプのジャワカレーは後に改めて販売されています）。

「ジャワカレー」のプロモーション活動、特にテレビCMは長年にわたり様々な形で展開されてきました。発売当初は、名称の由来となったジャワ島の美しい風景がメインに使われていました。その後、著名な文化人である伊丹十三氏・宮本信子氏夫妻を起用してからは、芸能人夫婦が出演するシリーズが中心となります。関口宏・西田佐知子夫妻、佐野周二氏、千葉真一・野際陽子夫妻、岩城滉一・結城アンナ夫妻、江口洋介・森高千里夫妻、北島康介・千紗夫妻など、多くの有名人夫婦が登場しました。また、西城秀樹氏のように単独で出演するケースや、役所広司氏、木村拓哉氏、反町隆史氏・紺野まひる氏といった俳優陣、さらには真行寺君枝氏（ヤングジャワカレー）、中嶋朋子氏（レトルト版）、篠原涼子氏など、非常に多様な顔ぶれがCMキャラクターを務めてきました。近年では、夫婦だけでなく、坂口憲二氏や種田陽平氏のような様々な形式での出演が見られます。

CMを彩る楽曲も多岐にわたります。ヤングジャワカレーのCMではセイントフォーの「不思議Tokyoシンデレラ」、結城アンナ氏が出演した際は自身の曲「いつも2人で」、その他にも種ともこ氏の「おひさま」、くるりの「さよならリグレット」、藤井フミヤ氏の「Brand new love」、平井大氏の「Life is Beautiful」などが使用されました。

「ジャワカレー」は、同じハウス食品のロングセラーである「バーモントカレー」と並び称されることの多いブランドです。また、ハウス食品のカップ麺ブランドである「カップスター」では、2012年にジャワカレーを使用したカレーラーメンが発売されたり、第一屋製パンからジャワカレーを使用したパンが製造・販売されたりと、他社や自社内の別ブランドとの連携も行われています。

このように、「ジャワカレー」は、その特徴的な風味と、時代の変化に合わせた商品展開やプロモーションを通じて、長きにわたり日本の食卓に根ざしてきた即席カレールーの代表的な存在と言えるでしょう。

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