ジャンヌ・ダルクへの道〜格闘美宣言〜

ジャンヌ・ダルクへの道〜格闘美宣言〜

『ジャンヌ・ダルクへの道〜格闘美宣言〜』（ジャンヌ・ダルクへのみち かくとうびせんげん）は、2000年代初頭にBSジャパンで放送された、女子プロレス中継を核としたドキュメンタリー番組です。BSデジタル放送の黎明期において、女子プロレス団体である吉本女子プロレスJd'（ジェイディスター）と連携し、競技としてのプロレスとエンターテインメント性を融合させた独自のスタイルを打ち出しました。

概要

この番組は、BSジャパンが開局した直後の2000年12月2日に放送を開始しました。BSデジタル放送の新たな可能性を探る中で、注目を集めるための「目玉番組」の一つとして位置づけられていました。広告代理店大手の電通が番組開発に携わり、主要スポンサーはKDDIの一社提供でした。主に毎週土曜日の午後1時から2時までの1時間枠で放送されていました。

番組の構成は、吉本女子プロレスJd'の最新試合中継が中心でした。しかし、単なる試合中継にとどまらず、番組の大きな特徴となっていたのが、BSジャパンとJd'が共同で立ち上げた女子育成プロジェクト「アストレス」に密着したドキュメンタリーパートです。アストレスは、プロレスラーとしての才能だけでなく、将来的にアクション女優やタレントとしても活躍できる人材を育成することを目指しており、「格闘美」という番組タイトルにも込められたコンセプトを体現する存在でした。

番組内では、アストレスメンバーのトレーニング風景、日々の葛藤、そしてリングデビューに向けた道のりが丁寧に描かれました。特に、アストレスメンバーが絡む試合に関しては、BSジャパンが独占的な中継権を持っており、番組の独自性を高める要素となりました。これにより、視聴者は単に試合を見るだけでなく、選手たちの成長過程や人間ドラマにも深く感情移入することができました。

さらに、番組オリジナルの王座として「BSジャパン認定クイーン・オブ・ザ・リング王座」が設立されました。この王座は番組独自のストーリーラインを生み出し、アストレスメンバーやJd'の既存選手たちの間で新たな目標やドラマを提供しました。

2001年4月3日からは、深夜帯に姉妹番組ともいえる『Jd'神話』の放送も開始され、BSジャパンはJd'関連の番組を2枠持つことになり、女子プロレスに対する力の入れ具合がうかがえました。

約2年4ヶ月にわたる放送は、2003年3月29日をもって終了しました。しかし、番組内で展開されたアストレスのドキュメンタリー企画は、番組終了後も独立した企画として継続されました。具体的には、『ViVa!アストレス』や『アストレスの美しき挑戦 アクションスターへの道』といった形で、アストレスプロジェクト自体の挑戦はその後も引き継がれていきました。

出演者

番組の顔となる司会（MC）は、放送期間中に担当者が交代しました。両名とも、放送当時はテレビ東京のアナウンサーでした。

MC
山本薫（番組開始 - 2002年3月）
四家秀治（2002年4月 - 番組終了）

試合の実況は、主にテレビ東京アナウンサーの皆藤慎太郎氏が担当し、リング上の熱戦の興奮を視聴者に伝えました。

実況
* 皆藤慎太郎

「ジャンヌ・ダルクへの道〜格闘美宣言〜」は、BSデジタル放送初期における、女子プロレスとドキュメンタリー、そして育成プロジェクトを融合させたユニークな試みとして記憶されています。単なるスポーツ中継にとどまらない、人間的な成長と挑戦を描いた番組として、当時の視聴者に鮮烈な印象を残しました。

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