ジャンフランソワ・ベルナール

ジャンフランソワ・ベルナール：栄光と苦難が交錯したフランスのロードレーサー

ジャンフランソワ・ベルナール（Jean-François Bernard）は、1962年生まれ、フランス・ニエーヴル県出身の元プロロードレース選手です。1980年代後半から1990年代前半にかけて活躍し、そのアグレッシブな走りで多くのファンを魅了しました。

アマチュアからプロへ、そしてツール・ド・フランスへ

1983年に国内選手権・アマチュアロードレースで優勝したベルナールは、翌1984年にベルナール・イノーが設立したラ・ヴィ・クレールと契約しプロデビュー。1986年には、ツール・メディテラネアンで総合優勝、ドーフィネ・リベレで区間2勝を挙げ、その実力をアピールしました。同年、ツール・ド・フランスに初出場。区間1勝を挙げ、総合12位という成績を残し、将来を嘱望される若手選手として注目を集めました。

1987年 ツール・ド・フランス：マイヨ・ジョーヌとモン・ヴァントゥのドラマ

1987年、ベルナールはパリ〜ニースで総合2位、ジロ・デ・イタリアで区間1勝と好調を維持。そして、ツール・ド・フランスでは、チームメイトのグレッグ・レモンの代役として、東芝チームのリーダーとして出場しました。第18ステージのモン・ヴァントゥがゴールの個人タイムトライアルでは、バイクを乗り換える大胆な作戦が成功し区間優勝。総合首位に躍り出て、ついにマイヨ・ジョーヌを獲得しました。しかし、翌日の第19ステージでは疲労から失速し、わずか1日でマイヨ・ジョーヌを手放してしまいます。それでもベルナールは諦めず、最終日前日の第24ステージの個人タイムトライアルで再び区間優勝。総合優勝のステファン・ロッシュに2分13秒差の3位に入り、総合優勝争いを演じました。

相次ぐ怪我と不調、そしてアシストとしての貢献

1988年、ベルナールは東芝のリーダーとしてジロ・デ・イタリアに出場し、第3ステージまでマリア・ローザを着用。さらに、第1、8、15ステージで勝利しましたが、序盤の落車事故が尾を引き、リタイアを余儀なくされました。怪我が癒えないまま出場したツール・ド・フランスでも精彩を欠き、途中棄権。1989年には左膝の手術を受け、ほとんどレースに出場できませんでした。1990年も怪我の影響が残り、ブエルタ・ア・エスパーニャで区間1勝を挙げましたが、ツール・ド・フランスでは途中棄権。ローラン・ジャラベールの台頭もあり、同年限りで東芝を去りました。

1991年、ベルナールはバネストに移籍し、ペドロ・デルガドやミゲル・インドゥラインのアシストとしてツール・ド・フランスに出場。インドゥラインの初の総合優勝に貢献しました。1992年には、パリ〜ニースとクリテリウム・アンテルナシオナルで総合優勝を果たし、健在ぶりを示しました。

引退後

1996年に現役を引退後、レキップ紙のアドバイザーや、レキップTV、ユーロスポーツの解説者を務めています。息子のジュリアンもプロロードレース選手として活躍しています。

ジャンフランソワ・ベルナールは、怪我に苦しみながらも、ツール・ド・フランスでマイヨ・ジョーヌを獲得するなど、数々の輝かしい成績を残しました。そのアグレッシブな走りは、多くのファンを魅了し、記憶に残る名選手として語り継がれています。

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