ジャン・ド・モンフォール

ジャン・ド・モンフォールは、13世紀末にブルターニュ公アルテュール2世とヨランド妃の間に生まれました。彼は母からモンフォール＝ラモーリー伯爵位を継承し、ドルー家の一員として、後にモンフォール家の祖となりました。

1341年、異母兄であるブルターニュ公ジャン3世が男子を遺さずに亡くなると、ジャン・ド・モンフォールは公位を主張しました。しかし、ジャン3世の姪であるジャンヌ・ド・パンティエーヴルとその夫シャルル・ド・ブロワもまた、公位を主張しました。シャルルはフランス王フィリップ6世の甥であり、王は彼を支持しました。これにより、ブルターニュ継承戦争が勃発し、20年にも及ぶ争いが繰り広げられました。

この継承戦争は「2人のジャンヌの戦争」とも呼ばれました。これは、ジャン・ド・モンフォールの妻ジャンヌ・ド・フランドルと、シャルル・ド・ブロワの妻ジャンヌ・ド・パンティエーヴルが対立したことによります。ジャン・ド・モンフォールは、リモージュに隠されていたジャン3世の宝物を手に入れることに成功しました。彼は支持者と共にナントを掌握し、ブルターニュの貴族たちから「公爵」と認められるようになりました。彼は公爵家の金庫を開け、傭兵を雇い、レンヌ、ブレストなどの主要都市を次々と攻略しました。

一方、シャルル・ド・ブロワはフランス王の支持を得ており、フィリップ6世はモンフォールを召喚し、ブルターニュ公位はシャルルにあると決定しました。これにより、ジャン・ド・モンフォールはフランス領内の領地を没収されました。その後、シャルル・ド・ブロワとノルマンディー公ジャン2世（後のフランス王ジャン2世）が軍を率いてブルターニュに侵攻し、ナントを含む多くの拠点を制圧しました。ジャン・ド・モンフォールは捕らえられ、パリのルーヴル宮殿に幽閉されました。

しかし、ジャン・ド・モンフォールの妻ジャンヌ・ド・フランドルは、夫の不在中も戦いを続けました。1343年1月には、教皇クレメンス6世の仲介により休戦条約が結ばれ、ジャン・ド・モンフォールは釈放されましたが、彼は1345年3月に脱走しました。イングランド王エドワード3世からの増援を得て戦いを再開しましたが、カンペールの包囲戦中に病に倒れ、1345年9月にエンヌボンで亡くなりました。

ジャン・ド・モンフォール自身はブルターニュ公になることはできませんでしたが、彼の子、同名のジャン4世が後にブルターニュ継承戦争を終結させ、ブルターニュ公となりました。ジャン4世はモンフォール家の繁栄を築き、父の遺志を継ぎました。

ジャン・ド・モンフォールは、1329年にジャンヌ・ド・フランドルと結婚し、二人の子をもうけました。長男ジャン4世はブルターニュ公となり、長女ジャンヌはドライトンのラルフ・バセットと結婚しました。彼の生涯は、ブルターニュの歴史において重要な出来事の一つであり、その功績は後世に語り継がれています。

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