ジャン・ポトン・ド・ザントライユ

ジャン・ポトン・ド・ザントライユ (Jean Poton de Xaintrailles)

ジャン・ポトン・ド・ザントライユは、1390年頃に生まれたガスコーニュ出身のフランスの軍指揮官です。彼は百年戦争の末期に重要な役割を果たし、1454年には元帥の称号を得ました。ザントライユは、王シャルル7世を支持し、数々の戦闘で勇敢に戦ったことで知られています。

略歴

彼の軍歴は1421年に始まります。同年のボージェの戦いでは、同郷のラ・イルと共に戦線に参加しました。その後、8月にはピカルディーの戦いで敗北し、一時イングランド軍に捕虜となりましたが、身代金を払い釈放されました。1423年には、ヨンヌ近くのクラヴァンで捕虜となるも、ジョン・タルボットとの交換により再び解放されました。

1424年にはヴェルヌイユの戦いで戦いを挑みましたが、そこでもフランス軍は敗北を喫しました。1428年から始まるオルレアン包囲戦では、ジャン・ド・デュノワやラ・イルと共にオルレアンに入り、イングランド軍に対抗しました。特に、1429年4月、ジャンヌ・ダルクが加勢した際のオルレアン解放戦では、彼の貢献が特に際立ちました。

その後、コンピエーニュではイングランド軍の包囲を解き、ジャン2世公やジル・ド・レと共にボージャンシーやパテーの戦いでも活躍しました。また、囚われのジャンヌの奪回を試みた際にフィリップ3世の軍と戦い、勝利を収めました。

1431年8月にはノルマンディーへの攻撃を計画していましたが、ウォリック伯の逆襲に遭い、再び捕虜となってしまいます。その後、ウォリック伯の居城ブーヴルイユ城での幽閉生活を経て、再びフランスに戻ります。

1435年、彼はラ・イルやデュノワと共にアルテュール・ド・リッシュモン大元帥に仕えます。ジェルブロワの戦いではラ・イルと共に指揮し、アランデル伯を捕虜にする成果を上げました。しかし、略奪行為が問題視され、上司から厳重注意を受けることも少なくありませんでした。1436年には無計画な出撃が原因でタルボットに敗北した経験もあります。

その後の戦闘では、1444年のルイ（後のルイ11世）のロレーヌ遠征や、1449年のノルマンディー征服などで功績を残します。これらの功績により、シャルル7世から1454年に元帥に任じられる栄誉を受け、町の一部も与えられました。

1461年10月7日、彼はボルドーのトロンペット城で亡くなりました。彼には後継者がなく、遺言はガスコーニュ方言で書かれ、遺産は教会に寄付されました。また、彼はかつてフランス王国で最も勇敢な指揮官の一人として評価されたことも忘れてはなりません。

ザントライユに関する文化作品

ジャン・ポトン・ド・ザントライユは、岡児志太郎による漫画『デゾルドル』にも登場しています。この作品は、彼の歴史的な業績やキャラクターを現代に伝える一助となっています。

参考文献

• - ジュール・ミシュレ『ジャンヌ・ダルク』
• - ジャン＝ポール・エチュヴェリー著、大谷暢順訳『百年戦争とリッシュモン大元帥』
• - レジーヌ＝ペルヌー、マリ＝ヴェロニック・クラン著、福本直之訳『ジャンヌ・ダルク』

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