ジャン＝ピエール&リュック・ダルデンヌ

ダルデンヌ兄弟 - ベルギーの映画界の巨星



ジャン＝ピエール・ダルデンヌとリュック・ダルデンヌは、共にベルギー出身の著名な映画監督で、ダルデンヌ兄弟として広く知られています。兄のジャン＝ピエール（1951年生まれ）と弟のリュック（1954年生まれ）は、リエージュ近郊で育ちました。彼らは若い頃から映画に強い興味を持ち、特に社会問題に対する敏感な視点で知られています。

映画監督への道



兄弟はブリュッセルに移り、舞台演出家を目指すジャン＝ピエールは、そこで出会ったアルマン・ガッティに影響を受けます。その後、彼らは原発で得た資金を元に機材を購入し、1974年から社会問題を題材としたドキュメンタリーを手がけるようになります。1978年には初の監督作『Le Chant du Rossignol』が公開され、以降も数多くのドキュメンタリーを製作しました。

1987年には初の長編劇映画『Falsch（ファルシュ）』を制作し、彼らのフィルムキャリアにおいて重要なステップとなりました。その後の作品『Je pense à vous（あなたを思う）』（1992年）では、製作過程での圧力により思うような仕上がりには至りませんでしたが、1996年の『イゴールの約束』は大きな国際的評価を受けました。この作品は第49回カンヌ国際映画祭の監督週間部門に出品され、世界中で注目されました。

カンヌ国際映画祭での成功



ダルデンヌ兄弟の名を一躍広めたのは、1999年に公開された『ロゼッタ』です。この作品は第52回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞し、彼らの映画が持つ深い社会的テーマと緊迫感を再認識させるものでした。主演のエミリー・ドゥケンヌも同映画祭で女優賞を受賞し、兄弟の功績は確固たるものとなります。

その後も、2002年の『息子のまなざし』、2005年の『ある子供』では再度パルム・ドールを受賞し、彼らは5組目となる二度受賞の監督として名を刻みます。また、2008年の『ロルナの祈り』では脚本賞、2011年の『少年と自転車』ではグランプリを受賞し、カンヌ映画祭での受賞作品が5連続に及ぶこととなりました。

2014年には『サンドラの週末』を発表し、マリオン・コティヤールを主演に起用。映画祭参加はしたものの、初の無冠となりました。しかし、主演女優の演技は多くの賞を受賞し、アカデミー賞でもノミネートされるなど、その評価は揺るぎませんでした。

2019年の『その手に触れるまで』では、新たに監督賞を受賞し、2022年の『トリとロキタ』でも第75回記念賞を受賞するなど、ダルデンヌ兄弟の影響力は現在も健在です。

代表作一覧



ダルデンヌ兄弟は、彼らの作品を通じて、個人の感情と社会のリアリティを結びつけた独自のスタイルを確立し続けています。

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