息子のまなざし

息子のまなざし (Le Fils)

『息子のまなざし』は、ジャン＝ピエール&リュック・ダルデンヌ監督による2003年公開のベルギー・フランス映画。過去に息子を殺された男が、加害者である少年と偶然再会し、葛藤しながらも向き合っていく姿を描いた作品です。

あらすじ

職業訓練所で働くオリヴィエは、ある日、木工クラスにフランシスという少年が入ってくるのを見て衝撃を受けます。5年前、オリヴィエの幼い息子はフランシスによって殺害されたのでした。少年院を出所したフランシスは、オリヴィエが被害者の父親とは知らずに訓練所へやってきたのです。

元妻からは「関わらない方がいい」と忠告されますが、オリヴィエはフランシスに木工技術を教え始めます。息子の死の真相を知りたいオリヴィエは、フランシスと食事をしたり、作業の様子を観察したりしながら、彼のことを探ろうとします。

ある日、オリヴィエはフランシスを製材所へ連れて行きます。車中でフランシスは、過去に盗みで少年院に入ったことがあると打ち明け、オリヴィエに後見人になってほしいと頼みます。オリヴィエはフランシスから事件の真相を聞き出そうとしますが、フランシスは「車からラジオを盗もうとした際、後部座席にいた子供を揉み合いの末に殺してしまった」と告白します。

真実を知ったオリヴィエは、激しい怒りと悲しみに襲われます。製材所で材木を計測するオリヴィエでしたが、ついに「お前が殺したのは私の息子だ」と告白します。フランシスは材木置き場に逃げ込み、抵抗しますが、オリヴィエは彼を捕まえ、首を絞めようとします。

登場人物

オリヴィエ (演: オリヴィエ・グルメ)
職業訓練所の木工クラスの指導員。過去に息子をフランシスに殺害された。感情を表に出さず、冷静を装っているが、心の中には深い怒りと悲しみを抱えている。
フランシス (演: モルガン・マリンヌ)
16歳の少年。5年前に窃盗と殺人の罪を犯し、少年院を出所後、訓練所で木工技術を学び始める。オリヴィエを指導員として信頼し、慕っている。
マガリ (演: イザベラ・スパール)
オリヴィエの元妻。ガソリンスタンドで働いている。息子の死後も、心の傷を抱えながら生きている。
オリヴィエの生徒たち
フィリポ (演: レミー・ルノー)、オマール (演: ナッシム・ハッサイーニ)、ラウル (演: クヴァン・ルロワ)、スティーヴ (演: フェリシャン・ピッツェール)。木工技術を学ぶ少年たち。
職業訓練所所長 (演: アネット・クロッセ)
訓練学校の女性所長。フランシスの入所手続きを行う。
リノ (演: ファビアン・マルネット)
訓練所の溶接クラスの指導員。フランシスの処遇について所長と相談する。
ダニー (演: ジミー・ドゥルーフ)
オリヴィエの元教え子。母親の無断欠勤でオリヴィエが様子を見に来る。
ダニーの母 (演: アンヌ・ジェラール)
自営業。息子を無断欠勤させて店で働かせ、オリヴィエと口論になる。

スタッフ

監督: ジャン＝ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ
脚本: ジャン＝ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ
製作: ジャン＝ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ、デニス・フレイド
撮影: アラン・マルクーン
美術: イゴール・ガブリエル
編集: マリー・エレーヌ・ドゾ
衣装デザイン: モニク・パレール
字幕: 寺尾次郎

その他

キャッチコピー: 「人を受け入れることから、愛が生まれる。」

『息子のまなざし』は、過去の罪、赦し、そして人間の心の葛藤を深く描いた作品です。ぜひ、ご覧ください。

外部リンク

息子のまなざし - KINENOTE
息子のまなざし - 映画.com
息子のまなざし - allcinema
* 息子のまなざし - IMDb

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