ジャン＝クロード・トリシェ

ジャン＝クロード・トリシェ（Jean-Claude Trichet、1942年12月20日 - ）は、フランスの銀行家であり、2003年11月1日から2011年10月31日まで欧州中央銀行（ECB）の第2代総裁を務めました。現在は、三極委員会においてヨーロッパ地域議長を務めています。

経歴

トリシェは1942年にリヨンで生まれ、フランスのグランゼコールである国立行政学院（ENA）などで学びました。その後、政界に入り、ヴァレリー・ジスカール・デスタン大統領の補佐官などを歴任しました。1993年にはフランス銀行（中央銀行）総裁に就任し、フランスの金融政策を担いました。

1998年に欧州中央銀行が設立されると、トリシェは初代総裁候補の一人として名前が挙がりました。しかし、ドイツが推すウィム・ドイセンベルクも有力候補であり、両者の間で調整が行われました。最終的に、フランスとドイツの政治的妥協の結果、ドイセンベルクが初代総裁に就任し、トリシェは4年後に総裁の座を譲り受けるという合意が成立しました。これは、本来8年の任期を持つ総裁職としては異例の措置でした。

2003年10月31日、ドイセンベルクは約束通り辞任し、欧州連合（EU）理事会（首脳会議）においてトリシェが第2代の欧州中央銀行総裁に任命されました。トリシェは、2008年の世界金融危機やその後の欧州ソブリン危機など、ユーロ圏が直面した数々の危機に対応しました。彼は、インフレ抑制を重視する姿勢を示し、金融政策を通じてユーロの安定に尽力しました。

2011年10月31日に任期満了で退任。

2012年より三極委員会における西ヨーロッパ地域議長を務めています。また、2018年春には、日本との友好関係への貢献が認められ、旭日大綬章を受章しました。

著書

ジャン=クロード・トリシェ、クリスティーヌ・ラガルドほか『混乱の本質』（徳川家広訳、土曜社、2012年）

外部リンク

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