ジャージーの紋章

ジャージーの紋章

ジャージーの紋章は、赤地のエスカッシャンに3匹のレオパード（passant guardant、正面を向いて歩くライオン）を配したデザインです。この紋章は、20世紀以前から非公式に使用されていましたが、1907年にジャージー代官区の紋章として正式に認められました。現在では、ジャージーの旗にも組み込まれています。

歴史

チャンネル諸島は、1204年までノルマンディー公国の一部でした。その後、イングランド王国がノルマンディー地方の主権を失った後も、チャンネル諸島はイングランド王室の支配下に置かれました。13世紀には、ジャージーとガーンジーの2つの代官区に分割されました。第二次世界大戦中のドイツによる占領期間を除き、現在に至るまでイングランド王室との繋がりが続いています。

島内では、イングランド王室の紋章が広く用いられていましたが、次第にジャージーを象徴するものと認識されるようになりました。1907年、エドワード7世によって、この紋章の使用が正式に認められました。第二次世界大戦中、イギリス本土からの物資供給が途絶えたため、ジャージーは初めて独自の切手発行を許可されました。しかし、君主の肖像やイギリスとのつながりを示すデザインは許可されませんでした。そこで、住人のN. V. L. Rybotが紋章の使用を提案しました。このデザインは、ドイツ当局（おそらく王室紋章であることに気付かなかった）に承認され、1941年4月1日に最初の切手が発行されました。

1980年12月10日の勅許により、プランタジネット家の冠を被せた紋章をジャージーの旗に組み込むことが定められました。この勅許は、ジャージー議会で同年4月7日に批准されました。

デザイン

紋章のデザインと配色は、文化、政治、そして地域的な意味合いを持ちます。3匹の金色のレオパードは、イングランド王室紋章と共通のデザインです。旗に描かれた冠と同様に、プランタジネット家に対するジャージー人の忠誠を表しています。レオパードは、勇気、大胆さ、そして高貴さを象徴するとも言われています。

使用

紋章は、ジャージーの旗や副総督旗に組み込まれています。1980年には、聖パトリック旗との区別を明確にするために、旗に紋章が追加されました。紋章は、政府の公式文書や、ジャージーを代表するスポーツチームのユニフォームなど、様々な場面で使用されています。

関連項目

* ジャージーの旗

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