ジャーヴィス (DD-393)

ジャーヴィス (USS Jarvis, DD-393) の概要

ジャーヴィス（USS Jarvis, DD-393）は、アメリカ海軍が運用したバッグレイ級の駆逐艦です。この艦名は、1800年の疑似戦争で若くして戦死した士官候補生、ジェームズ・C・ジャーヴィスに由来しています。ジャーヴィスは、アメリカ海軍の主要水上艦艇の中でも、第二次世界大戦中に乗員全員を失った数少ない艦の一つとして知られています。

艦歴の始まり

ジャーヴィスは1935年8月21日にワシントン州ブレマートンのピュージェット・サウンド海軍工廠で起工され、1937年5月6日に進水しました。指揮官R・R・ファーガソン少佐の下、同年10月27日に正式に就役しました。初期の活動は主にカリフォルニア州沿岸やカリブ海での演習を含み、1940年にはハワイ周辺での艦隊演習にも参加しています。

真珠湾攻撃とその後の行動

1941年の真珠湾攻撃では、一時的に停泊していたジャーヴィスが敵機に襲われましたが、艦は反撃を行い、乗員に大きな被害はありませんでした。その後、ジャーヴィスは第14任務部隊に参加し、空母サラトガの護衛を任されながら、ウェーク島への救援任務に従事しました。この任務は最終的に中止され、ジャーヴィスは真珠湾へ帰還しました。

ジャーヴィスは続く数ヶ月間で多くの対潜哨戒任務を行い、給油艦ナチェスの生存者を救助するなどの行動を繰り返しました。1942年初頭には、真珠湾を出発しオーストラリアのブリスベンへの船団護衛を行った後、フィジーを経由して再び真珠湾に戻るなどの活動をしていました。

ガダルカナルの戦い

7月14日、ジャーヴィスはガダルカナルの戦いへの準備のため、シドニーを出航しました。この戦いのための第62任務部隊に加わった彼女は、海兵隊の上陸を支援するため7月31日に出撃し、日本軍との激しい戦闘が繰り広げられました。8月7日に、ジャーヴィスは日本海軍の空襲を受け、魚雷による攻撃を受けました。この攻撃で14名の乗員が戦死し、艦は航行不能となりますが、応急修理を施されました。

沈没の運命

当初の命令でニューヘブリディーズ諸島への移動を指示されたジャーヴィスは、無線が不調だったため、指示を変えオーストラリアのシドニーに向かうことに決定します。しかし、1942年8月9日の夜、ジャーヴィスは「アイアンボトム・サウンド」にて日本の攻撃隊に襲われました。日本側の記録によると、ジャーヴィスは攻撃を受けてからしばらく経った後に沈没し、艦長以下全員が戦死しました。

希少な歴史的存在

ジャーヴィスは、二度名を持つ艦として歴史の中に名を刻んでいます。また、第二次世界大戦での功績により、3個の従軍星章を受章しています。彼女の艦名は後に新型のフレッチャー級駆逐艦、ジャーヴィス（USS Jarvis, DD-799）に受け継がれています。

今もなおジャーヴィスの記憶は、戦争の中での勇気ある行動として語り継がれています。

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