ジャーヴィス・コッカー

ジャーヴィス・コッカー：ブリットポップの旗手、その音楽と人生

ジャーヴィス・ブランソン・コッカー（Jarvis Branson Cocker）は、1963年9月19日、イギリス・シェフィールド生まれのミュージシャンです。1990年代に一世を風靡したバンド、パルプ（Pulp）の中心人物として、その名を知られています。

生い立ちとパルプ結成

1978年、15歳の時に友人と共に「Arabicus Pulp」を結成。バンドは後に「Pulp」と改名されました。1983年にはインディーズ・レーベルから1stアルバム『It』をリリースするも、商業的な成功には至らず、長きにわたる下積み時代を送ります。

ブリットポップの隆盛と『Common People』の大ヒット

1993年、ついにメジャー・レーベルとの契約を獲得。翌1994年には、メジャー移籍後初のアルバム『His 'n' Hers』を発表し、徐々に注目を集めます。そして1995年、ブリットポップ・ブームの波に乗り、5枚目のアルバム『Different Class』をリリース。『Common People』は、ジャーヴィスが大学生時代に出会ったギリシャ人女性をモチーフにした曲で、大ヒットを記録し、パルプは一躍人気バンドの仲間入りを果たしました。

パルプの活動休止とソロ活動

しかし、2000年代に入るとパルプの人気は陰りを見せ始め、2002年に活動休止（事実上解散）となります。その後、ジャーヴィスは2002年にフランス人女性と結婚し、パリへ移住。一児の父親となります。

2003年には、パルプと同じくシェフィールド出身のバンド、All Seeing Iのジェイソン・バックルと共に、覆面エレクトロポップ・デュオ、Relaxed Muscleを結成。Darren Spoonerという名義でアルバム「A Heavy Nite With...」を発表しました。2005年には、映画「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」に、舞踏会で演奏するバンドThe Weird Sistersのシンガー役で出演。映画のサウンドトラックにも3曲を提供しています。

2006年、43歳にして初のソロ・アルバム『Jarvis』を発表。パルプのベーシスト、スティーヴ・マッケイも参加し、共作も行いました。2009年には、スティーブ・アルビニのプロデュースによるセカンドソロアルバム『Further Complications』を発表し、全英トップ20入りを果たします。

ラジオDJ、パルプ再始動、そして現在

2010年からは、ラジオDJとしての活動も本格的に開始し、BBCラジオ6ミュージックで『ジャーヴィス・コッカーズ・サンデーサーヴィス（Jarvis Cocker's Sunday Service）』を担当。2011年からは再始動したパルプのボーカルとして、レディング・フェスティバルでヘッドライナーを務めるなど、ライブを中心に活動。2013年にはパルプ名義でシングル「After You」を発表し、再び活動休止となります。

2017年には、ピアニスト、チリー・ゴンザレスとの共同制作アルバム『Room 29』を発表。2019年には、新バンド「JARV IS ...」を結成し、デビューシングルをリリース。2020年にはデビューアルバム『Beyond the Pale』を発表し、批評家からパルプ以来の傑作と称賛されました。2021年には、ウェス・アンダーソン監督の映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』のテーマ曲を担当し、シャンソンのカバー・アルバムをリリース。2022年には、Netflixオリジナルアニメ『家をめぐる3つの物語』で声優を務め、エンディングテーマソングを作曲・歌唱しました。2023年には、パルプを再々始動させ、全英ツアーを行っています。

ブリット・アウォーズでの騒動

1996年のブリット・アウォーズでは、マイケル・ジャクソンのパフォーマンス中に乱入し、彼に向かって尻を突き出すという行為に及び、物議を醸しました。この件で警察の取り調べを受けましたが、後に「あれは、周囲に対してまるで神のような振舞いをしていたマイケルに対する抗議だった」とコメントしています。この行為に対し、賛否両論がありましたが、オアシスのノエル・ギャラガーは「奴はスターだ。MBEの称号を与えるべきだ」と賞賛しました。

多彩な才能を発揮するカリスマ

ジャーヴィス・コッカーは、パルプでの音楽活動に加え、ソロ活動、ラジオDJ、映画出演など、多岐にわたる分野で才能を発揮しています。その独特な歌詞の世界観とカリスマ性で、多くのファンを魅了し続けています。

ディスコグラフィー

スタジオ・アルバム
シングル

外部リンク

Jarvspace マイスペース上のページ（英語）
Jarvis Cocker's Sunday Service

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