ジュウサンセンジリス

ジュウサンセンジリス (Ictidomys tridecemlineatus)

ジュウサンセンジリスは、齧歯目に属するリス科の小型哺乳類で、主にアメリカ合衆国の中央部およびカナダ南部の広大な草原やプレーリーに生息しています。この種は特徴的な体の縞模様を持ち、非常に観察しやすい動物として知られています。

分布

ジュウサンセンジリスは、北はカナダ南中部から、南はテキサス州中央部まで、また西はアメリカ合衆国のユタ州およびアリゾナ州東部、東はミシガン州とオハイオ州にかけてのグレートプレーンズ域に広く分布しています。これにより、環境が豊かで適応しやすい生息地が確保されています。

形態

このジリスは、頭から尾にかけて170–310ミリメートルの長さがあり、尾は60–132ミリメートルほどです。体重は110から270グラムで、毛色は茶色がかっており、背中と横腹には13本の縞模様が見られます。この縞模様は濃い茶色の縞と白っぽい縞が交互に配置され、非常に魅力的な外観を持っています。

分類

かつては約40種類のジリスとともに旧Spermophilus属に分類されていましたが、分類学者のHelgenらによって、旧Spermophilus属は8つの異なる属に分けられ、ジュウサンセンジリスはIctidomys属に位置付けられるようになりました。これにより、分類が明確になり、他の種との関係性が理解されやすくなりました。

生態

この種は主に昼行性であり、特に気温が高い日中に活発に行動します。主に単独で活動しますが、適した環境では小さな群れを形成することもあります。冬季には冬眠の準備を行い、夏の終わりまでに蓄えた脂肪をエネルギー源として用います。巣穴は最大で8メートルの長さがあり、深さは50センチメートルほどで、内部は草でしっかりと裏打ちされています。冬眠用の巣穴は特に深く掘られ、オスの縄張りはメスよりも広く5ヘクタールに達します。

食性

ジュウサンセンジリスは雑食性で、主に草や種子に加えてイモムシやコオロギといった昆虫類も摂取します。食物の幅広い選択肢により、環境への適応力が高く、時には小動物を捕食することもあります。人間の生活圏にも積極的に侵入し、時折野菜を掘り返したりして庭を荒らすことがありますが、同時に雑草や害虫を駆除してくれる一面もあります。

知名度

ジュウサンセンジリスは、その直立した姿勢で縄張りを見張る姿がよく知られており、危険を察知するとすぐに巣穴へと逃げ込みます。このことから、非常に警戒心が強い性質を持っています。また、別名として「striped gopher」や「leopard ground squirrel」と呼ばれることもあり、特にミネソタ大学の運動部「ゴールデンゴーファーズ」に象徴されるように、地域の象徴的な動物とされています。

このように、ジュウサンセンジリスは豊かな生態系の中で重要な役割を果たしている生き物であり、その特有の習性や生態について研究が進められています。

もう一度検索