ジョアキム・ヨンビ＝オパンゴ

ジョアキム・ヨンビ＝オパンゴ：コンゴ共和国の政治家

ジョアキム・ヨンビ＝オパンゴ（1939年1月12日 - 2020年3月30日）は、コンゴ共和国の軍人、政治家です。彼は、1977年から1979年まで同国の大統領を務め、1993年から1996年までは首相の座にありました。その生涯は、コンゴ共和国の政治的激動を色濃く反映しています。

生い立ちと軍人としてのキャリア

ヨンビ＝オパンゴは、コンゴ北部のキュヴェト地方、フォート・ルセト（現在のオワンド）で生まれました。彼は軍人の道を歩み、マリアン・ングアビ大統領の時代には参謀総長という要職に就きました。1970年7月30日に一時失脚するも、すぐに元の地位に復帰しています。彼はコンゴ労働党に所属し、党内では右派に位置していました。

クーデターと権力掌握

1972年2月22日、ヨンビ＝オパンゴがクーデターを企んでいるという噂が流れました。これは、実際にクーデターを計画していたアンジェ・ディアワラが、自身の計画を有利に進めるために流したものでした。しかし、ヨンビ＝オパンゴはディアワラのクーデターを鎮圧し、これにより大佐に昇進、労働党中央委員会にも抜擢され、1973年1月には党政治局の一員となりました。

1977年にングアビ大統領が暗殺されると、軍の最高位にあったヨンビ＝オパンゴが国家元首に就任しました。しかし、彼は軍内部を掌握しきれず、党内左派の軍人であるドニ・サスヌゲソとの権力闘争に敗れ、1979年2月に解任されました。その後、10月20日には労働党を追放され、私財を没収された上で自宅軟禁という処分を受けました。

逮捕、釈放、そして首相へ

1987年2月、ピエール・アンガら20人の軍人によるクーデター計画が発覚します。このクーデターはヨンビ＝オパンゴを首班に据える計画であり、彼は同年9月に逮捕、投獄されました。1990年8月14日、サスヌゲソ大統領は建国30周年を記念した恩赦として、ヨンビ＝オパンゴを含む政治犯を釈放しました。民主化後の1991年2月から6月にかけて行われた国民会議では、ヨンビ＝オパンゴはサスヌゲソらとともに、ングアビ暗殺に関与したとして非難されました。

1992年8月の大統領選挙で、ヨンビ＝オパンゴは民主開発戦線（RDD）を結成して選挙に臨みましたが、得票率は3.49%で6位に終わりました。しかし、出身地のキュヴェト州では27%の得票を得て、サスヌゲソに次ぐ2位につけています。彼は議会内で、パスカル・リスバ大統領の社会民主主義パン・アフリカン連合と連携し、その結果、1993年6月23日に首相に選出されました。

辞任、亡命、そして帰国

しかし、ヨンビ＝オパンゴの首相就任は、サスヌゲソ派などの野党だけでなく、与党内からも反発を招きました。1996年8月23日、彼は首相を辞任しました。その後、リスバ派とサスヌゲソ派の内戦が勃発し、サスヌゲソ派が勝利すると、ヨンビ＝オパンゴはコートジボワール、そしてフランスへと亡命しました。

コンゴでは、横領などの罪で強制労働20年の実刑判決を受けましたが、サスヌゲソ政権の基盤が安定すると、和解の動きが始まりました。2007年、ヨンビ＝オパンゴは恩赦を受け、コンゴに帰国しました。

晩年と死

帰国後は健康を害し、フランスとコンゴを行き来する生活を送りました。2020年3月30日、パリ近郊のヌイイ＝シュル＝セーヌにある病院で、2019新型コロナウイルス感染症（COVID-19）により死去。81歳でした。

彼の生涯は、コンゴ共和国の激動の歴史を象徴しており、その政治的影響は आज भी残っています。

関連項目

* 2019年コロナウイルス感染症で亡くなった著名人の一覧 (2020年上半期以前)

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