ドニ・サスヌゲソ

ドニ・サスヌゲソは、1943年11月23日生まれのコンゴ共和国の政治家、軍人であり、現在、同国の大統領を務めています。彼はコンゴ労働党（PCT）の党首でもあります。

生い立ちと初期のキャリア

1960年に軍隊に入隊し、政治の世界へ足を踏み入れました。その後、コンゴ労働党（PCT）が結成され、マリアン・ングアビがマルクス・レーニン主義的政策を推進しましたが、彼は暗殺されました。1977年、サスヌゲソはPCT軍事委員会の第1副委員長および国防相に就任し、政治的な影響力を増していきます。

大統領への道

1979年2月、ングアビの後継者であったジョアキム・ヨンビ＝オパンゴ大佐が無能として解任されると、同年8月にはサスヌゲソがPCT党首および大統領に就任しました。彼は、強権政治の緩和を打ち出し、マルクス・レーニン主義路線から西欧諸国との関係改善を図るなど、柔軟な政策へと転換しました。

一時的な下野と内戦

1992年8月の大統領選挙で、社会民主主義パン・アフリカン連合のパスカル・リスバ委員長に敗れ、一時的に下野しました。しかし、1993年の選挙で不正があったとして、リスバ派とサスヌゲソ派の間で対立が激化し、武力衝突が発生、内戦へと発展しました。1995年12月には和平合意が成立したものの、1997年に再び内戦が激化し、同年6月には両派が衝突。サスヌゲソが勝利し、リスバを追放して政権を掌握、1997年10月25日に再度大統領に就任しました。

大統領としての再選と憲法改正

その後、2002年、2009年、2016年と再選を果たしました。2015年には憲法を改正し、大統領選挙への立候補資格に関する年齢制限（70歳以下）を撤廃。また、大統領の任期についても、1期7年で2期までという上限を、1期5年で3期までと改め、自らの2016年および2021年の大統領選挙への立候補を可能にしました。

近年の動向

2021年3月21日に行われた大統領選挙では、88.4％の票を獲得し、再選を果たしました。しかし、この選挙では、野党の有力候補であったギブリス・パルフェ・コレラが投票日前日に新型コロナウイルスに感染し、重体となる事態が発生。彼は選挙で7.84％の票を獲得しましたが、投票日の翌日に死去しました。

2021年10月には、パンドラ文書によって、サスヌゲソがタックス・ヘイヴンであるイギリス領ヴァージン諸島に設立したペーパーカンパニーを通じて、自国のダイヤモンド鉱山を所有していることが公表されました。

人物像

既婚者であり、1男1女の子供がいます。長男のデニス＝クリステルは、父と同じくコンゴ共和国の政治家として活動しています。長女のエディット＝リュシーは、ガボンの大統領を務めたオマール・ボンゴ・オンディンバ（2009年没）の夫人でした。また、遠い親戚（姪）には、同国のジャーナリスト兼政治家であるアルレット・スーダンがいます。彼は自身らの写真が入った物を無料で配っています。

サスヌゲソは、コンゴ共和国の政治において、長年にわたり重要な役割を果たしてきました。彼の政治手腕や政策は、国内外で様々な評価を受けていますが、その影響力は今もなお大きいと言えるでしょう。

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