ジョアン・フィゲイレド

ジョアン・バプティスタ・デ・オリヴェイラ・フィゲイレドの生涯と業績

ジョアン・バプティスタ・デ・オリヴェイラ・フィゲイレド（João Baptista de Oliveira Figueiredo）は、1918年1月15日に生まれ、1999年10月24日に亡くなったブラジルの軍人および政治家です。彼は1979年から1985年までブラジルの第30代大統領として在任しました。

軍歴と政治への道

フィゲイレドは、軍人であり1932年にジェトゥリオ・ドルネレス・ヴァルガス政権に反対した父エウクリデス・フィゲイレドの子として育ちました。彼の兄弟も軍人としての道を選びました。士官学校を卒業後、1944年には大尉に昇進し、1952年には少佐となりました。また、ブラジル軍事使節団の一員としてパラグアイに派遣されるなど、さまざまな役割を担って成長しました。

1961年には国家安全保障評議会に異動し、大佐に昇進。さらに国家情報部の部長に就任し、軍政下での政治的な駆け引きに深く関与しました。彼が指名を受けたのは、エルネスト・ガイゼル大統領の後任としてのことでした。

大統領としての任期

フィゲイレドは、ガイゼルが旗振り役となった民主化の流れを引き継ぎました。彼は特に1979年に、政治犯を釈放する恩赦法に署名したことで注目を集めました。しかし、彼の政権下では、経済危機が深刻化し、インフレと失業が急増しました。

1984年には大統領直接選挙を求める抗議運動が勃発し、国民の不満が高まりましたが、フィゲイレドはこれを抑え込むことに力を注ぎました。結果として、1984年の選挙は間接選挙の形で行われ、その結果、野党候補のタンクレード・ネーヴェスが当選しました。

経済と政治の課題

フィゲイレドの政権は、ブラジルの経済にとって厳しい時代でありました。彼の施策にもかかわらず、国の経済状況は芳しくなく、対外債務が急増しました。900億ドルに達した負債と、効果の薄い緊縮財政策は国民生活に深刻な影響を与えました。

政治的権力と権力者

フィゲイレドは、文官制の副大統領であるアウレリアーノ・チャベスにあまり権力を委譲せず、政権の強化に努めました。しかし、彼が政治の舞台から退くと、再び表舞台に戻ることはありませんでした。フィゲイレドは、その後は世間の注目を避け、静かな生活を送りながら1999年に死亡しました。

栄典と功績

フィゲイレドは、国際的に数々の勲章を受賞しています。アヴィス騎士団大十字（1972年）、キリスト騎士団大十字（1973年）、サンティアゴ・ダ・エスパーダ勲章大十字（1981年）、エンリケ航海王子勲章（1991年）などがあります。これらは彼の業績を象徴するものとなっています。

フィゲイレドはブラジルの近代史において重要な役割を果たした人物であり、彼の政権下での経験は、今なお議論の的となっています。彼が推進した民主化のプロセスと同時に直面した経済的課題は、ブラジルの歴史において忘れがたい教訓を残しています。

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