ジョイン・トゥゲザー

「ジョイン・トゥゲザー」（Join Together）は、イギリスのロックバンド、ザ・フーが1972年にシングルとして発表した楽曲です。この曲は、スタジオ・アルバムには収録されませんでしたが、1990年にはライブ・バージョンがシングルとして発売され、再び注目を集めました。

背景

ピート・タウンゼントは1971年から『ライフハウス』というロック・オペラの構想を練っており、「ジョイン・トゥゲザー」はそのプロジェクトのために作られた新曲でした。タウンゼントが2000年に発表した6枚組CDボックス・セット『Lifehouse Chronicles』には、この曲のデモ・バージョンも収録されています。

レコーディングでは、ジュース・ハープ、ハーモニカ、シンセサイザーなど、当時としては斬新な楽器が導入されました。ボーカリストのロジャー・ダルトリーは、後に『アンカット』誌のインタビューで、この曲について次のように語っています。

「シングルにぴったりの、良いエナジーがある曲だと思った。でも当時の僕は、まだシンセサイザーの導入には疑問があったね。僕達はたくさんの曲で、こういう些末な単音のノイズを作るのに時間をかけてきたけど、ギターだけでやった方が良いんじゃないかって思っていた。」

B面曲「ベイビー・ドント・ユー・ドゥ・イット」は、マーヴィン・ゲイの歌唱で知られる曲のカバーです。シングルには1971年12月のライブ音源が収録され、スタジオ録音バージョンはアルバム『フーズ・ネクスト』（1971年）のリマスターCDにボーナス・トラックとして追加されました。

ミュージックビデオ

「ジョイン・トゥゲザー」のプロモーションビデオは、1972年6月25日にウェンブリーにあるロンドン・ウィークエンド・テレビジョン・スタジオで撮影されました。監督は、ローリング・ストーンズ主催の『ロックンロール・サーカス』や、ビートルズの『レット・イット・ビー』で知られるマイケル・リンゼイ＝ホッグです。撮影にはザ・フーのファンクラブ会員が観客役として参加しました。

映像の後半には、メンバーが観客の中に進んでいくシーンがあります。キース・ムーンもドラムセットごと観客の中になだれ込んでいく様子は、圧巻です。これは、タウンゼントがこの曲の歌詞に込めた「バンドと観客が一つになって共存する」というイメージを具現化したものでした。このプロモーションビデオは、1972年7月13日にBBCの『トップ・オブ・ザ・ポップス』で放映されました。

反響

「ジョイン・トゥゲザー」は、全英シングルチャートで9位に達し、ザ・フーにとって11作目の全英トップ10シングルとなりました。アメリカのBillboard Hot 100では17位を記録し、同チャートで自身5度目のトップ20入りを果たしています。

[1990年]]にヴァージン・レコードから発売されたライブ・アルバム『ジョイン・トゥゲザー』のバージョンは、同年にはアナログ盤シングル]及びCD[シングル]としてもリリースされ、[[1990年3月31日付の全英シングルチャートで100位を記録しました。

カバー

スウィート - カバー・アルバム『New York Connection』（2012年）に収録。

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