ジョエル・ロバーツ・ポインセット

ジョエル・ロバーツ・ポインセット：陸軍長官と植物学者

ジョエル・ロバーツ・ポインセット（1779年3月2日 - 1851年12月12日）は、アメリカ合衆国における重要な政治家、医師、植物学者として知られています。彼は1837年から1841年までアメリカ合衆国陸軍長官を務め、その活動は今日のアメリカの歴史においても重要な位置を占めています。

生い立ち

ポインセットはサウスカロライナ州チャールストンに生まれました。父は地元の名医エリシャ・ポインセット、母はイングランド出身のアン・リチャーズであり、豊かな教育を受ける環境に育ちました。ポインセットはコネチカット州やヨーロッパでの教育を経て、医学と法律を学びました。この背景が彼の後の多才な活動に大きく寄与しています。

初期の経歴

彼の初期のキャリアは1809年にスタートしました。ジェームズ・マディソン大統領から特別調査官に任命され、南米の独立運動に関する調査を行ったのです。ポインセットは南米諸国を訪れ、現地の政治情勢を理解するために尽力しました。1815年に帰国した後は、サウスカロライナ州の政治に参加し、州下院議員として活躍しました。

メキシコ駐在とポインセチアの発見

ポインセットはその後、メキシコに駐在する特使となり、特に1825年には初代駐メキシコ公使に任命されました。この時期のポインセットは、アメリカ合衆国の影響力を拡大するため、政治的混乱を引き起こす活動を行ったものの、最終的には国外退去となります。しかし、彼はメキシコ滞在中に特別な植物を発見しました。それが、クリスマスの時期に赤い花を咲かせるトウダイグサ科の植物であり、後に彼の名に由来して「ポインセチア」と呼ばれることになります。この花はアメリカ国内外で広まり、今日ではクリスマスの象徴ともなっています。

サウスカロライナ州での政治活動

1830年にサウスカロライナに帰還後、ポインセットは連邦主義を支持する立場を表明しました。州下院議員を再び務め、連邦法無効論の議論に関わるなど、政治界で活発な活動を続けました。この間、彼はラルフ・イザードの娘メアリーと結婚します。

アメリカ合衆国陸軍長官としての役割

1837年から1841年にかけて、ポインセットはミシシッピ川以西に住むインディアンの立ち退きについて強硬な姿勢を取ります。さらに、セミノール戦争ではアメリカ陸軍を指揮し、その戦略は部隊を効率的に集結させることを重視していました。また、軍隊組織法による軽砲の実戦投入を進めるなど、軍事的な現代化にも尽力しました。

晩年と死

ポインセットは陸軍長官を退任後、サウスカロライナに戻り、プランテーションの経営に専念しました。また、晩年をステイトバーグで過ごし、1851年にその地で亡くなりました。彼の墓はホーリークロス聖公会墓地にあります。

ポインセットは政治、軍事、植物学の三つの分野での申し分ない業績を残し続け、その名はアメリカン・クリスマスのアイコンとしても知られるようになりました。

もう一度検索