ポインセチア

ポインセチア：クリスマスの彩りを添える美しい植物

ポインセチア(学名: Euphorbia pulcherrima)は、トウダイグサ科トウダイグサ属に分類される常緑性の低木です。一般的にポインセチアと呼ばれていますが、学術的な標準和名はショウジョウボクです。

見事な紅葉とクリスマスのシンボル

11月から12月にかけて、茎の先端の葉が鮮やかな赤色、桃色、乳白色に色づき、その美しい姿からクリスマスフラワーとも呼ばれ、クリスマスの時期には多くの場所で目にすることができます。日本では、大雪から小寒までの季語にもなっています。

花言葉と由来

ポインセチアのいくつかある花言葉は、「祝福」「清純」「幸運を祈る」「私の心は燃えている」など、ポジティブな意味合いを持っています。

メキシコと中央アメリカが原産で、メキシコでは「ノーチェ・ブエナ(Noche Buena)」と呼ばれ、クリスマスイブを意味する通称としても親しまれています。アメリカ合衆国への伝播には、初代メキシコ公使であったJ・R・ポインセットが関わっており、彼の名前が学名にも用いられています。日本へは明治時代に渡来しました。和名のショウジョウボクは、赤い顔が特徴的な伝説上の生き物である猩々に、色づいた苞葉の様子が似ていることから名付けられたと言われています。

形態と特徴

ポインセチアの葉は薄く楕円形をしています。私たちが花びらと認識している部分は、実際には苞葉（ほうよう）と呼ばれる葉が変色したものです。この苞葉が鮮やかに赤く染まる様子が鑑賞のポイントであり、キリストの血の色に例えられることもあります。

ポインセチアは短日植物で、開花を促すには短日処理（一定時間以上の暗闇を与える処理）が必要です。園芸では、クリスマスの時期に合わせた紅葉を楽しむために、この処理が行われます。管理温度は20～25℃、必要日数は60～70日、開花到達日数は80～90日程度です。ただし、0℃を下回るような低温環境では葉が落ちてしまうため、注意が必要です。

挿し木で簡単に増やすことができます。水挿しの場合は、切り口から出る乳液状の樹液を拭き取ることがポイントです。近年は園芸品種の多様化が進み、従来の赤色の他に、乳白色、淡い黄緑、ピンク、斑入りなど、様々なバリエーションを楽しむことができます。また、強剪定にも耐える丈夫な植物です。

鉢植えのイメージが強いですが、宮崎県宮崎市堀切峠の沿道には5万本以上が植えられており、12月の開花時期には観光名所となっています。小さな花が複数集まって咲くため、一輪の花のように見えます。

類似種と毒性

ポインセチアによく似た植物にショウジョウソウがあります。ショウジョウソウは草本であり、ポインセチアのような木質化しません。また、苞葉の色づきもポインセチアほどではありません。日本では帰化[[植物]]として見られることもあります。

ポインセチアは全草に有毒成分であるホルボールエステル類を含んでおり、皮膚炎や水疱を引き起こす可能性があります。致死的な毒性はありませんが、誤食には注意が必要です。ホルボールエステル類には発がんプロモーション作用もあるとされています。

まとめ

クリスマスの季節を彩る美しいポインセチア。その特徴や育て方、そして毒性について理解することで、より安全に、そして楽しく鑑賞することができます。鮮やかな苞葉と、その奥にひっそりと咲く小さな花々を、ぜひ楽しんでください。

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