ジョシュア・レッドマン

ジョシュア・レッドマン：ジャズ界の巨星、その足跡

ジョシュア・レッドマンは、1969年カリフォルニア州バークレー生まれのアメリカ合衆国を代表するジャズ・サックス奏者、作曲家です。著名なジャズサックス奏者デューイ・レッドマンを父に持ちますが、幼少期は父との交流は少なく、音楽の道に進むことを決意するまで、深い関係は築けていませんでした。

当初はクラリネットを演奏していましたが、10歳でサックスに転向。その後、名門ハーバード大学で社会学を専攻、卒業後はイェール大学法科大学院に進学するも、1991年にニューヨークへと移り住みます。そして、ジャズ界の登竜門であるセロニアス・モンク国際ジャズ・コンペティションで優勝。この栄冠が、彼のプロとしてのキャリアを大きく飛躍させました。ワーナー・ブラザース・レコードと契約し、華々しいデビューを飾ります。なお、息子の音楽活動には当初反対していた父デューイも、息子の才能を認め、後に協調関係を築きます。

1993年に発表された2作目のアルバム『WISH』では、父デューイと親交の深いパット・メセニー、チャーリー・ヘイデン、ビリー・ヒギンスらと共演。このアルバムは高い評価を受け、彼の名を広く知らしめるきっかけとなりました。続く1994年の『ムード・スウィング』では、ブラッド・メルドー、クリスチャン・マクブライド、ブライアン・ブレイドら、同世代の優れたミュージシャンたちとセッション。これ以降、様々なミュージシャンとのコラボレーションを通じて、彼の音楽性は多様に広がりを見せていきます。

1997年には、ロック界のレジェンド、ローリング・ストーンズのセントルイス公演にゲスト参加。「友を待つ」で力強いサックスソロを披露し、その模様は1998年発売のライブ映像作品『ブリッジズ・トゥ・バビロン・ツアー』に収録されました。これは、ジャズとロックという異なる音楽ジャンルを融合させた貴重な記録となっています。

その後も、サム・ヤエル、ブライアン・ブレイドらとのユニット「エラスティック・バンド」「YAYA3」では、よりファンク色の強い作品を発表。さらに、2004年から「サンフランシスコ・ジャズ・コレクティブ (SFJAZZ Collective)」を率いるなど、リーダーとしての活動にも精力的に取り組んできました。

2009年のモントリオール国際ジャズフェスティバルでは、アーロン・パークス、マット・ペンマン、エリック・ハーランドらと共演。この強力なラインナップは、2011年に「ジェイムス・ファーム (James Farm)」というバンドを結成、アルバムを発表するなど、長きにわたる活動へと繋がりました。

そして、2020年には約26年ぶりに、メルドー、マクブライド、ブレイドとのカルテットを復活。アルバム『ラウンドアゲイン』を発表し、大きな話題を呼びました。2022年には同メンバーによる『ロング・ゴーン』を発表するなど、キャリアを通して築き上げてきた信頼関係と音楽性に基づいた活動を継続しています。

彼のキャリアは、単なる音楽活動にとどまらず、世代やジャンルの枠を超えた多様なコラボレーション、そして常に進化し続ける音楽性によって彩られています。その豊かな創造性と類まれな才能は、ジャズ界に大きな影響を与え続けています。今後の活動にも目が離せません。

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