ジョシュ・クロンフェルド

ジョシュ・クロンフェルド：オールブラックスを支えた多才なフランカー

1971年6月20日、ニュージーランドのホークス・ベイ地方ヘイスティングズに生を受けたジョシュ・クロンフェルド（Josha Adrian Kronfeld）は、世界最高峰のラグビープレーヤーの一人として知られ、特にそのフランカーとしての献身的なプレーは多くのファンを魅了しました。

彼のラグビーキャリアは、地元ヘイスティング・ボーイズハイスクールを経て、オタゴ大学教育学部で学びながら築かれました。大学を1993年に卒業した後、彼は高校教師として教壇に立ち、スポーツ科学（体育）と共にラグビーの指導にも情熱を注いでいました。

競技者としての道は、ニュージーランド国内の州代表選手権（NPC）で本格化します。1993年から2000年にかけて、彼はオタゴ代表として69試合に出場し、チームの中心選手として活躍しました。また、スーパーラグビーの前身であるスーパー14では、1996年から2000年までハイランダーズに所属し、42キャップを獲得。南半球の強豪が集まる舞台でその実力を磨き上げました。

クロンフェルドのキャリアにおける最も輝かしい期間は、やはりニュージーランド代表「オールブラックス」の一員としてプレーした日々でしょう。1995年から2000年にかけて、彼はテストマッチ54試合に出場し、通算70ポイントを記録しました。特に、信仰上の理由から日曜日の試合を辞退していたマイケル・ジョーンズ選手の穴を埋める形でオープンサイドフランカーとして起用されると、その卓越したパフォーマンスで瞬く間にレギュラーの座を確立。これにより、ジョーンズ選手はブラインドサイドフランカーにポジションを移すことになります。彼はラグビーワールドカップ1995年大会と1999年大会という二度の最高峰の舞台にも出場し、オールブラックスの強力なFW陣を支えました。

ニュージーランドでの成功後、クロンフェルドは新たな挑戦を求めイングランドへ渡ります。2001年5月、彼は名門レスター・タイガースと契約を結びました。移籍初年度は怪我に悩まされ、本領を発揮するのに時間を要しましたが、2年目には復調し、チームに大きく貢献しました。レスターでのプレー期間中に39試合に出場し、35ポイントを挙げています。

2003年、現役生活に終止符を打ったクロンフェルドは、ニュージーランドへ帰国しました。しかし、彼の探求心は衰えることなく、新たなキャリアへの道を歩み始めます。オタゴ大学の健康科学部（医学部）に進学し、理学療法の資格を取得。現在は、プロフェッショナルな理学療法士として人々の健康をサポートする活動を行っています。

さらに、クロンフェルドの活動は医療分野に留まりません。彼はマルチタレントとしても知られ、様々な分野でその才能を発揮しています。特に印象深いのは、2009年に出演したテレビジョン・ニュージーランドの人気番組『Dancing with the Stars』でしょう。プロダンサーとペアを組み、見事なサルサダンスを披露し、多くの視聴者を驚かせました。

また、彼の人生経験は社会貢献活動にも繋がっています。2009年に誕生した長男が胎便吸引症候群という重篤な疾患を発症し、集中治療室での治療を乗り越えた経験は、彼にとって大きな転機となりました。この経験を機に、彼はニュージーランド新生児基金の特別大使を務め、同じような困難に直面する家族を支援するための活動に尽力しています。前述の『Dancing with the Stars』への出演も、新生児支援を含む慈善団体「Koru Care Otago」へのチャリティー活動の一環として行われたものでした。

ジョシュ・クロンフェルドは、世界レベルのラグビー選手として名を馳せただけでなく、引退後も理学療法士、タレント、そして社会貢献活動家として多角的に活躍を続ける、まさにオールラウンダーな人物と言えるでしょう。

もう一度検索