ジョセップ・ボレル

ジョセップ・ボレル・フォンテジェス：EU外交を牽引するスペインの政治家

ジョセップ・ボレル・フォンテジェスは、現代ヨーロッパ外交において重要な役割を担うスペイン出身の政治家です。1947年生まれ、カタルーニャ地方の小さな町で育ちました。幼少期は読書に親しみ、その後リェイダで中等教育を修了。バルセロナ、マドリードと転々とし、工業会計、航空工学、経済学を学びました。多様な学問に触れた経験は、後の彼の政治活動に多角的な視点を提供したと言えるでしょう。

1969年、ボレルはイスラエルのキブツに参加。そこで、のちに離婚する妻となるカロリーナ・メイヨールと出会います。帰国後、国営石油会社に勤務する傍ら、1975年にスペイン社会労働党に入党しました。これは、当時のスペインにおいては大きな決断であったと言えるでしょう。

1979年、マドリード議会の議員に選出され、政治家としてのキャリアを本格的にスタートさせます。1982年には、フェリーペ・ゴンサーレス政権下で経済省の要職に就き、財政政策に携わりました。その手腕は高く評価され、政治家としての地位を着実に築き上げていきます。

しかし、彼のキャリアは順風満帆ではありませんでした。1998年には、社会労働党の首相候補選に出馬するも、党内の圧力により辞退を余儀なくされています。また、同性愛への寛容を示す一方で、自身の性的指向について噂を否定するなど、複雑な状況に直面した時期もありました。

2004年、欧州議会議員選挙で圧勝し、欧州議会議長に選出されます。700名以上の議員の絶対多数の支持を集めたことは、彼のカリスマ性と政治力の高さを示しています。議長在任中は、欧州人民党との合意に基づき、ドイツのハンス＝ゲルト・ペテリングと交代で議長を務めました。その後は、開発委員会委員長などを歴任しています。

2010年から2012年には、欧州大学院の総長を務め、国際的な舞台での活躍を継続しました。学術界での経験は、彼の政治的な洞察力にさらに深みを与えたと言えるでしょう。

2018年には、スペインで政権交代が起き、ペドロ・サンチェス首相の下で外務・欧州・協力大臣に就任。そして、2019年12月、EU外務・安全保障政策上級代表に就任しました。これはEUの外相に相当する重要なポストであり、ボレルはEU外交の中枢に立つことになります。

2022年4月には、ウクライナのブチャでの虐殺事件を受け、EU委員会委員長と共にキエフを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談。この訪問は、EUのウクライナ支援の決意を示す象徴的な出来事となりました。

しかし、ボレルのキャリアは、常に賛否両論を巻き起こしてきました。特に、2006年の北欧諸国に対する発言や、2020年のグレタ・トゥンベリに関する発言は、大きな批判を浴びました。これらの発言は、彼の歴史認識や外交手腕に対する疑問を投げかけるものとなりました。

現在も、EU外務・安全保障政策上級代表として、多様な国際問題に積極的に関与し続けているボレル。その経歴と発言は、常に注目を集め、議論を呼び起こしています。彼の今後の活動からも目が離せません。

ギャラリー

現在、元環境相のクリスティーナ・ナルボーナと交際している。

出典

（出典をここに記載）

外部リンク

Josep Borrell Fontelles (@josepborrellf) - X（旧Twitter）
Josep BORRELL FONTELLES（英語） - 欧州議会による

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