ジョゼフ・ベングロシュ

ジョゼフ・ベングロシュ（Jozef Vengloš, 1936年2月18日 - 2021年1月26日）は、スロバキアのルジョムベロク出身の元サッカー選手であり、指導者として多岐にわたる活躍を見せた人物です。彼はヨーロッパサッカー界において重鎮として知られ、監督業と並行してFIFAやUEFAのテクニカルスタッフも務めました。監督引退後は、故郷ブラチスラヴァでサッカースクールを開設し、後進の育成に尽力しました。

指導者としての輝かしい実績

ベングロシュは、チェコスロバキア代表の監督を二度務め、その手腕を発揮しました。最初の政権（1978年～1982年）では、EURO '80で3位入賞、1982 FIFAワールドカップ出場という実績を残しました。二度目の政権（1987年～1990年）では、1990 FIFAワールドカップでベスト8に進出する快挙を成し遂げました。

1990年のワールドカップ後、ベングロシュはイングランドに渡り、アストン・ヴィラの監督に就任。これは、イングランド国内リーグにおいて初の外国人監督の誕生として、大きな注目を集めました。

2002年には、日本のジェフユナイテッド市原の監督に就任。同時に、2002 FIFAワールドカップではテクニカルスタディーズグループのチーフという重責も担いました。

2003年以降は、地元スロバキアのサッカースクールで育成に専念する傍ら、2006 FIFAワールドカップでもテクニカルスタディーグループのスタッフとして貢献しました。

その他、FIFAやUEFAによる世界選抜チーム、ヨーロッパ選抜チームの監督も務めるなど、国際舞台で幅広く活躍しました。

2021年1月26日、84歳で逝去。

選手・指導者としての経歴

選手経歴
スロヴァンCHZJDブラチスラヴァ (1954-1966)
監督経歴
FCプラーグ・シドニー (1966)
ニューサウスウェールズ (1966-1967)
オーストラリア代表 (1967-1969)
TJ VSSコシツェ (1969-1971)
U-23チェコスロバキア代表 (コーチ) (1970-1972)
スロヴァンCHZJDブラチスラヴァ (1973-1976)
チェコスロバキア代表 (アシスタント・マネージャー) (1973-1978)
チェコスロバキア代表 (1978-1982)
スポルティング・クルーベ・デ・ポルトゥガル (1983-1984)
クアラルンプールFA (1985-1987)
サッカーマレーシア代表 (1985-1987)
チェコスロバキア代表 (1988-1990)
アストン・ヴィラFC (1990-1991)
フェネルバフチェSK (1991-1993)
スロバキア代表 (1993-1995)
オマーン代表 (1995-1997)
セルティックFC (1998-1999)
* ジェフユナイテッド市原 (2002)

エピソード

ジェフユナイテッド市原の監督を務めていた際、FIFAやUEFAの役職も兼任していたベングロシュ。FIFAやUEFA宛のレターに「JEFUNITED」のロゴが入った封筒を使用していたことが、FIFAやUEFA内部で「一番有名なJリーグクラブはジェフユナイテッドである」というジョークを生んだとされています（真偽は不明）。

また、ジェフ退団時には、後任監督としてイビチャ・オシムを推薦したと言われています。

ベングロシュは、その豊富な経験と知識、そして優れた指導力で、世界中のサッカー界に多大な影響を与えた人物として、記憶されるでしょう。

もう一度検索