ジョニー・ヘッカー

ジョニー・ヘッカー：異才を放つNFLのパンター

ジョニー・ヘッカー（Johnny Hekker）は、1990年2月8日生まれ、アメリカ合衆国ワシントン州ボセル出身のアメリカンフットボール選手。現在はNFLのテネシー・タイタンズに所属し、パンターとして活躍しています。彼の名を知らしめたのは、卓越したパント技術に加え、クォーターバックの経験を生かしたフェイクパントでのパス能力です。スーパーボウルにおけるパントキックの最長記録保持者でもあります。

大学時代

オレゴン州立大学時代から、ヘッカーはその才能を発揮していました。2011年のユタ大学戦では、6回のパントで平均52.5ヤードを記録。しかし、ウィスコンシン大学戦では、ミスキックによりマイナス4ヤードという記録も残しています。このように、安定感に課題を残す時期もありましたが、秘めたるポテンシャルの高さは疑いようもありませんでした。

NFLでのキャリア

セントルイス/ロサンゼルス・ラムズ

2012年、ドラフト外フリーエージェントとしてセントルイス・ラムズと契約。プレシーズンでトム・マローンとのポジション争いに勝利し、レギュラーの座を掴みました。ルーキーイヤーからその実力を発揮し、第2週には3回のパントで163ヤード、ネット平均48.7ヤードを記録し、NFL週間最優秀新人選手にノミネートされました。この試合では、66ヤードのパントも蹴っています。

第4週のシアトル・シーホークス戦では、フェイクフィールドゴールからダニー・アメンドーラへの2ヤードのタッチダウンパスを成功させました。これは、1970年のNFL、AFL統合以降でラムズのパンターとして初のタッチダウンパス記録となりました。

第5週のアリゾナ・カージナルス戦では、7回のパントで398ヤード、平均56.9ヤードを記録し、ドニー・ジョーンズが持っていた1試合でのラムズ記録（56.0ヤード）を更新。さらに、パトリック・ピーターソンのリターンタッチダウンを阻止する活躍も見せ、NFC週間最優秀選手スペシャルチーム部門に選ばれました。

2013年にはプロボウルに初選出。この年、ネット平均44.2ヤードを記録し、アンディ・リーが2011年に作ったNFL記録（44.0ヤード）を更新しました。

2014年12月には、6年18000万ドルというパンター史上最大となる契約でラムズと契約を延長。2016年には、20ヤード以内に収めたパントの回数が51回という記録を樹立し、自身の持つ平均パントネットヤード記録を46.0ヤードと更新しました。

2018年には、第53回スーパーボウルに出場。ニューイングランド・ペイトリオッツとの対戦では、65ヤードのパントキックを記録し、スーパーボウル記録を更新しました。しかし、チームは3-13で敗れ、スーパーボウルリング獲得はなりませんでした。

2021年シーズン、チームはスーパーボウルに進出し、シンシナティ・ベンガルズと対戦。ヘッカーも先発出場し、6回のパントを蹴り、チームは23-20で勝利。ヘッカーは念願のスーパーボウルリングを獲得しました。しかし、シーズンオフにラムズからリリースされました。

カロライナ・パンサーズ、テネシー・タイタンズ

2022年3月18日、カロライナ・パンサーズと3年契約を結びましたが、2024年にチームを離れました。そして、2025年3月13日、テネシー・タイタンズと1年契約を結び、新たな挑戦を始めています。

プレースタイル

ヘッカーの魅力は、その多才さにあります。高校時代にはクォーターバックとしてプレーしていた経験があり、パントキックを蹴ると見せかけて自らパスを投げるフェイクパントを得意としています。ルーキーイヤーにはタッチダウンパスも記録しており、その創造的なプレースタイルは、観客を魅了し続けています。

ジョニー・ヘッカーは、卓越した技術と独創的なプレースタイルで、NFLの歴史にその名を刻むパンターと言えるでしょう。

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